白石光(早稲田大3年)が単複で決勝進出、シングルス決勝の相手は飛躍見せる田口涼太郎(近畿大3年) [2021インカレ室内]

写真は田口涼太郎(近畿大学3年)(撮影◎毛受亮介 / RYOSUKE MENJU)


 全日本学生テニス連盟が主催する「2021年度全日本学生室内テニス選手権大会(第58回)」(大阪府吹田市・江坂テニスセンター/本戦12月1~5日/室内ハードコート)の本戦4日目は男女単複の準決勝が行われ、各種目のファイナリストが出揃った。

 男子シングルスでは第1シードの白石光(早稲田大学3年)が中川舜祐(法政大学4年)を6-2 6-2で一蹴し、第4シードの田口涼太郎(近畿大学3年)は第2シードの藤原智也(慶應義塾大学2年)に6-3 6-3で快勝した。

 白石は丹下将太(早稲田大学3年)とのペアで第1シードとして出場しているダブルスでも第3シードの田口/河野甲斐(近畿大学3年)を6-3 6-4で退け、第4シードの松田康希/大植駿(関西大学3年/3年)を6-4 6-4で破って勝ち上がった第2シードの藤原/下村亮太朗(慶應義塾大学1年)と決勝で対戦する。

 田口は1年のときのインカレは予選から2回戦に進出したが室内は出場できず、2年のときのインカレはベスト16で室内は2回戦負け、そして今年のインカレでベスト4入りして今大会で初の全国での決勝進出を果たした。10月には日本テニス協会(JTA)公認大会で2大会連続優勝もしている。確かな躍進には何かしら理由があるものだ。
 
「競ったところでは、テニスの技術以上にメンタルとフィジカルが勝負だと思うので、その両方は特に力を入れてトレーニングをしてきました。大事なところで体力が切れないとか、トライする気持ちを持ち続けるとか、試合中に成果が出ていると思います」

 今日の準決勝、相手は今年のインカレで単複2冠を達成した藤原だった。ひとつ年下の強者だが、先月の全日本テニス選手権の1回戦では田口が6-2 6-4と快勝している。安定感とスピードが武器の藤原だが、「お互いにラリーの中で駆け引きするタイプで、僕にとってはやりやすい」という田口が両セットとも中盤で奪ったリードを守る形で今回もストレート勝ちをおさめた。

 明日の決勝の相手は、連覇を狙う白石。3年生にして早くもプロ転向宣言をして進路を明確に表した白石は、現在の心境やコンディションをこう話す。

「負けられないっていう気持ちは大きい。でも先を見据えて戦えるようになったという点ではプレッシャーは逆に以前ほどはなくて、いい意味で気負いせずに戦えている。調子はいいです」

 先月の大学王座では白石の貢献も大きく早稲田大が16連覇を遂げたが、この無敵の早稲田に対して「打倒」の決意を強く持ち続けてきたのが大分舞鶴高校から近畿大に進学した田口だ。

 早大と近大の対決は準決勝で実現したが、早大が5勝1敗で勝利。せめて個人実績で「打倒早稲田」を果たしたい田口は河野とのダブルスで1勝を挙げたが、悪天候によるスケジュールの乱れが影響して勝敗決定後の試合はすべて打ち切りとなったためシングルスは戦えずに終わった。対戦するはずだった相手は白石だ。

 8月のインカレでは白石から初白星を奪っている。しかし、続く準決勝では早大の丹下に敗れた。初の決勝の大舞台で白石を破ってこそ、目標達成といえるだろう。

 白石も田口の成長ぶりに大いに刺激を受けている。

「攻撃力も上がったし、自信がプレーに表れている。僕には連覇がかかっているし、涼太郎にとっては初の決勝という特別な試合。いい試合になると思う」と決勝の戦いそのものへの期待を覗かせた。(ライター◎山口奈緒美/構成◎テニスマガジン)

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撮影◎毛受亮介 / RYOSUKE MENJU

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