2021-12-18

ジュニア

ともに東海出身、松田鈴子(ノアテニスアカデミー神戸垂水)と里菜央(相生学院高)が初の全国タイトルをかけた決戦に挑む [第42回全日本ジュニア選抜室内]

写真は決勝に進出した里菜央(相生学院高)(撮影◎宮原和也 / KAZUYA MIYAHARA)


 公益財団法人日本テニス協会(JTA)が主催する「JOCジュニアオリンピックカップ第42回全日本ジュニア選抜室内テニス選手権大会」(12月16~19日/兵庫県三木市・ブルボンビーンズドーム/室内ハードコート)の競技2日目は、1次リーグ(グループ内総当たり戦)の最終戦と順位別トーナメント1回戦が行われた。

 この大会は男女各16人(全国選抜個人戦、全日本ジュニアU18&U16、インターハイ個人戦シングルス優勝・準優勝者および全国9地域のテニス協会から選出された選手など)で争われる18歳以下のジュニア全国大会で、1組4人の1次リーグ(グループ内総当たり戦)で組内の順位を決めたあとに順位別のトーナメントを行い優勝者を決定する。

     ◇     ◇     ◇

 優勝を争う女子の決勝(1~4位)トーナメントに進出したのはグループAから順に里菜央(相生学院高)、松田鈴子(ノアテニスアカデミー神戸垂水)、 中岡咲心(やすいそ庭球部)、辻岡史帆(SYT月見野TS)で全員が16歳以下という顔ぶれとなり、そこから里と松田が決勝進出を決めた。

 まず1次リーグで注目されたのは前日に2勝した者同士が激突したグループAで、高校1年生の里がインターハイ優勝の丸山愛以(四日市商業高)を5-7 6-1 6-2で破って3戦全勝で決勝トーナメントに駒を進めた。里の今季の最高成績は全日本ジュニア16歳以下とU15全国選抜ジュニア(中牟田杯)のベスト8で、全国大会ではこれが人生初の準決勝進出だった。それにとどまらず里は決勝トーナメントの初戦で中岡との高1対決に6-2 6-2と快勝し、決勝進出を決めた。

 好調の理由を聞けば、「調子がいいとか、成長したとかじゃないんです。たまたまです。運です」と照れ臭そうに反応した。強いていえば、「やることやらないで負けるのは嫌。しっかりラケット振って思い切りやって負けたらしょうがない」という心掛けが好結果に繋がっているということらしい。

 もう一方の準決勝は、高校1年生の松田と中学3年の辻岡生の左利き対決に。このふたり、国内のITF大会で今年5回も対戦している。これまでの成績は辻岡の3勝2敗だが、直近となる先週の岐阜国際ジュニア(ITFグレード5/ハードコート)の決勝では松田が勝っていた。

「ここまで対戦が多いともう真っ向勝負というか、全力でぶつかっていくしかない。相手のフォアに集めないようにすることは気を付けました」という松田が6-2 6-2で勝利し、対戦成績をイーブンとした。スコアは一方的だったものの、真っ向勝負という言葉通りに両者引かないラリー戦が随所にあった。

 今年の全日本ジュニア16歳以下で松田は初めて全国大会のベスト4に入り、その後はリポビタン国際ジュニア in 愛媛(ITFグレード5/ハードコート)で準優勝、前述のように岐阜で優勝と好調続きだ。「少しずつ、できることが増えてプレーの幅が広がってきたことかも…」とポツリポツリとその成長を口にする。ただ、まだ確信は持てていないようだ。

 松田が愛知の出身で、里は静岡。それぞれが「上を目指すためによりよい環境」を目指し、偶然にも今はこの会場がある兵庫県に拠点を置いている。東海大会の決勝などで何度か対戦した二人が、明日は初めて全国タイトルをかけて戦う。(ライター◎山口奈緒美/構成◎テニスマガジン)

続きを読むには、部員登録が必要です。

部員登録(無料/メール登録)すると、部員限定記事が無制限でお読みいただけます。

いますぐ登録

撮影◎宮原和也 / KAZUYA MIYAHARA

Pick up

Related

Ranking of articles