2021-12-17

ジュニア

幅広い年代で競い合うジュニアの2021年ラスト大会、初日の1次リーグで中学生も奮闘 [第42回全日本ジュニア選抜室内]

写真は1次リーグのグループDで2連勝を飾った辻岡史帆(SYT月見野TS)(撮影◎宮原和也 / KAZUYA MIYAHARA)


 公益財団法人日本テニス協会(JTA)が主催する今年最後のジュニア全国大会「JOCジュニアオリンピックカップ第42回全日本ジュニア選抜室内テニス選手権大会」(12月16~19日/兵庫県三木市・ブルボンビーンズドーム/室内ハードコート)が開幕し、前日の開会式と会場練習に続いて競技初日は1次リーグ(グループ内総当たり戦)の前半戦(各選手2試合)が行われた。

 この大会は男女各16人(全国選抜個人戦、全日本ジュニアU18&U16、インターハイ個人戦シングルス優勝・準優勝者および全国9地域のテニス協会から選出された選手など)で争われる18歳以下のジュニア全国大会で、1組4人の1次リーグ(グループ内総当たり戦)で組内の順位を決めたあとに順位別のトーナメントを行い優勝者を決定する。

     ◇     ◇     ◇

 大会の見どころのひとつは、幅広い年代が同じ土俵で戦うこと。過去には小学生が加わった年もあったが、今回は中学2年から高校3年までが集っている。初日の女子は、中学生を含めた下の年代の奮闘が光った。

 本日2勝した選手の中には中学3年の辻岡史帆(SYT月見野TS)がいる。この1ヵ月の間にリポビタン国際ジュニア in 愛媛と岐阜国際ジュニアで決勝に進出し、松山では優勝したレフティー(左利き)だ。

 辻岡はグループDに属し、今日はまず高校3年生の宮川このみ(札幌光星高)に6-2 4-6 6-2で、続いて高校2年生の宮原千佳(第一薬科大学付属高)を7-6(1) 6-1で破った。どちらも対戦経験はなく情報もなかったが、「ノープレッシャーなので思い切りやるだけ。作戦は試合に入ってから自分なりに分析しながら考えた」という。自信漲るフォアハンドを果敢に打ち込む姿勢が印象的だ。

 松山と岐阜でいずれもこの辻岡と決勝を戦ったのが高校1年生で同じく左利きの松田鈴子(ノアテニスアカデミー神戸垂水)で、グループBの彼女も本日2連勝している。松田が2試合目に対戦したのは男女を通して最年少の中学2年生、五藤玲奈(ラスタットTC)だった。

 高校選抜チャンピオンの五十嵐唯愛(四日市商業高)を7-6(5) 2-6 6-3で倒す金星で期待を膨らませていた五藤だったが、松田には3-6 0-6と完敗を喫した。しかし五藤は、「中学生だから負けてもしょうがないと思われるかもしれないけど、その通りにはなりたくなかった。私を推薦してくださった方に感謝の気持ちを見せるためにも、一つでも多く勝ちたい」と明日以降に望みを捨てていない。

 そのほかグループCは高校1年生の中岡咲心(やすいそ庭球部)がトップに立ち、グループAではインターハイ・チャンピオンで高校3年生の丸山愛以(四日市商業高)が大坪花(第一薬科大学付属高)との初戦で苦しんだが3-6 7-5 6-1と土壇場で踏ん張って逆転勝ちをおさめて2試合目も勝利した。
 
 一方の男子では、ラストイヤーの高校3年生が比較的好スタートを切った。注目は高校選抜と全日本ジュニアのダブル覇者でインターハイも準優勝の田中佑(湘南工科大学附属高)で、その実績にふさわしくグループAで貫禄の2連勝を飾った。本日男子でセットを落とさなかったのはこの田中だけだ。2試合を終え、「勝つことは一番大事ですけど、プレーの内容も大事にしたい。フォアで展開を作ってボレーで決めるという自分のプレーを、気負わずにやっていきたい」と語った。

 明日は全日本ジュニアU16でベスト4だった中島暁(松本第一高)との2勝同士の戦いとなる。今年はジュニアデビスカップの日本代表としても戦った中島は、「この大会では高いレベルの人たちと試合がたくさんできるので、自分の課題にトライするいい機会」と話す。181cmの長身を生かしたサービスと得意なボレーで優勝候補筆頭の田中に挑む。


グループAで2連勝を飾った中島暁(松本第一高)(撮影◎宮原和也 / KAZUYA MIYAHARA)

 グループBは高校3年生の丹下颯希(新田高)、グループCは高校3年生の松本洵(松商学園高)、グループDでは高校2年生の高妻蘭丸(大分舞鶴高)がそれぞれ2勝でグループのトップに立っている。

 男子では唯一の中学生となる富田悠太(チェリーTC)は、グループCで1勝1敗だった。今年は全中準優勝、U15全国選抜ジュニア優勝(中牟田杯)、ジャパンオープンジュニア優勝、世界スーパージュニア準優勝と国内大会・国際大会ともに活躍した15歳が、明日はトップの松本に挑む。どのグループも、最終試合で順位が混ぜ返される可能性も十分にある。(ライター◎山口奈緒美/構成◎テニスマガジン)

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撮影◎宮原和也 / KAZUYA MIYAHARA

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