猛暑とハレプを克服したコルネがキャリア初のグランドスラム8強入り「プレーを始めて30分で考えるのを止めた」 [オーストラリアン・オープン]

写真はグランドスラム63大会目にして初のベスト8進出を果たしたアリゼ・コルネ(フランス)(Getty Images)


 今年最初のグランドスラム大会「オーストラリアン・オープン」(オーストラリア・ビクトリア州メルボルン/本戦1月27~30日/ハードコート)の大会8日目は、ボトムハーフ(ドローの下半分)の男女シングルス4回戦などが行われた。

 非常に気温の高かった過酷なコンディションの中で32歳のアリゼ・コルネ(フランス)が第14シードのシモナ・ハレプ(ルーマニア)を6-4 3-6 6-4で倒し、グランドスラム大会でキャリア初の準々決勝進出をやってのけた。

 第1セットから長いラリーのたびに双方が苦しそうに息をつぐ場面が見られたこの試合を勝者として抜け出したコルネは、「素晴らしい気分だわ。この暑さの中でシモナと繰り広げたこの戦い――試合を始めて30分で私たちはコートの上で死にそうになっていたというのに、2時間半も戦い続けた」と感慨深げに語った。

「プレーを始めて30分で、私はもう考えるのを止めたの。脳が負荷過剰な状態になって視界すらもはやはっきりしておらす、身体は震えていたわ」とコルネは身体的にも苦しかった戦いを振り返った。

「でもコートの反対側で、彼女(ハレプ)も私と同じように苦しんでいるのだと思ったの。私の陣営からの応援にも励まされたわ」

 観客席の一角に陣取ったコルネ陣営のボックスには彼女のコーチやスタッフのほかにも選手仲間のフィオナ・フェロ(フランス)や長年の選手仲間で現在はビリー ジーン・キング・カップ(旧フェドカップ)のフランス代表チーム監督を務めるジュリアン・ベネトー(フランス)などが集い、大声で声援を送っていた。

 勝利のあとタオルに顔をうずめて泣いたコルネは「本当に暑くて苦しい試合だったから、あれは安堵の涙だったの」と明かし、第3セット5-3からのハレプのサービスゲームで15-40とふたつのマッチポイントを掴みながらそれをものにできなかったときのことを振り返り、「あのときには悪い考えが頭をよぎったけど、ジュリアン・ベネトーが『君にはできる!』と叫んでいるのが聞こえたわ。だからできると信じ、集中し直したの」とそのときの心の揺れを説明した。

 過去のグランドスラム大会で4回戦に5度進出していたコルネは、一度もベスト8に至ったことがなかった。試合後に脚にケイレンを起こしながらもコートでインタビューやファンへのサインにも応え、初めての4回戦から13年待った8強入りを満喫した彼女は「これが私がテニスをプレーしている理由よ。これらすべての感動を皆と分かちえるこのような瞬間のために、私はテニスをプレーし続けているの。私の旅はまだ続いている。未だに信じられないわ」という言葉で感慨を表現した。

 コルネは準々決勝で、2019年でベスト4に勝ち残った実績をもつダニエル・コリンズ(アメリカ)と対戦する。第27シードのコリンズはこの日、第19シードのエリース・メルテンス(ベルギー)に4-6 6-4 6-4で競り勝った。

「試合中に多くのアップダウンがあった。今日は特に、肉体的に厳しかったわ」とコリンズは試合を振り返った。

「別の日にも2時間半の長い試合をプレーしていたし、1時間半かけてダブルスもプレーしたから、心地よく動けるようにするために技術的な調整をしなければならなかったの」

 ボトムハーフのもうひとつの準々決勝は、イガ・シフィオンテク(ポーランド)とカイア・カネピ(エストニア)の顔合わせとなった。

 第7シードのシフィオンテクがソラナ・シルステア(ルーマニア)を5-7 6-3 6-3で退け、世界ランク115位のカネピは第2シードのアーニャ・サバレンカ(ベラルーシ)との激闘を5-7 6-2 7-6(10-7)で制して番狂わせに成功した。

続きを読むには、部員登録が必要です。

部員登録(無料/メール登録)すると、部員限定記事が無制限でお読みいただけます。

いますぐ登録

写真◎Getty Images

Pick up

Related

Ranking of articles