ATPツアー公式戦の「ASBクラシック」（ATP250／ニュージーランド・オークランド／1月13～18日／賞金総額61万10ドル／ハードコート）の男子シングルス決勝で、ユーゴ・アンベール（フランス）が第5シードで同胞のブノワ・ペール（フランス）に7-6(2) 3-6 7-6(5)で競り勝ち、ATPツアーでキャリア初のタイトルを獲得した。

　キャリア初のツアー決勝に臨んだ21歳のアンベールはこの日、2時間半以上かかった拮抗したこの試合で経験豊富なペールを振りきった戦いを通してテニス界の次代のスターのひとりという評判に見合う強さを見せた。

　今大会でのアンベールは同世代のキャスパー・ルード（ノルウェー）、第2シードのデニス・シャポバロフ（カナダ）、そして第4シードのジョン・イズナー（アメリカ）らを倒して決勝への道を切り開いていた。

ASBクラシック2020｜PHOTOアルバム

　5-3からキープできなかったアンベールは、5-4からのペールのサービスゲームではマッチポイントを手にしながら決めることができなかった。彼は最終的に勝利をつかむのにタイブレークで競り勝たなければならなかったが、この波乱万丈の第3セットを耐え抜いて見せた。

「これは雪辱の大会だった」とアンベールは打ち明けた。「僕は過去に、ここでプレーした5人のプレーヤーのうち4人に負けていたんだ。だから僕にとって大きな上達であり、これ以上よい年の初めは望めないよ」。

　ペールはこの試合の大部分を通し、彼のベストのレベルでプレーしていなかった。彼は決勝への道のりでラケットやボールを叩いたことで2度ポイントペナルティを受けており、土曜日の決勝でもボールをスタジアムの外に打ち出したために警告を受けた。彼はそれからあるポイントについて主審と長いこと論議し、そのことが最終セットで彼の士気を高めたのか、追い上げてアンベールに苦闘を強いた。

　試合は両選手の調子のよさが物語っていた通り、非常に競ったものとなった。左利きからの繰り出すサービスで強さを見せるアンベールはファーストサーブの66%を入れ、ポイント獲得率は86％だった。これはこの大会で最高の数字だ。

　試合の序盤にはお互いにナーバスになっているように見え、第1セットの最初の7ゲームでは4度のブレークがあった。アンベールはそれから5ポイントを連取し、タイブレークを7-2で制した。

　第2セットではペールが強さを発揮し、第4ゲームでブレークして先行した。彼は第9ゲームでブレークポイントをセーブした末にキープし、セットカウントを1-1に持ち込んだ。

　アンベールは最終セットの第2ゲームでブレークに成功し、優位に立ったように見えていた。しかしキープすれば勝利という5-3からの第9ゲームでブレークを許し、決着はまたもタイブレークに持ち込まれた。双方の選手がタイブレークの序盤に取るべきポイントを落としたが、アンベールはペールのサービスから6ポイントを取り、競り合いの末に勝利をものにした。

　これに先立ち行われたダブルス決勝では、ルーク・バンブリッジ（イギリス）／マクラクラン勉（日本）がマーカス・ダニエル（ニュージーランド）／フィリップ・オズバルド（オーストリア）を7-6(3) 6-3で下し、同ペアでの初優勝を果たした。(C)AP（テニスマガジン）

※トップ写真はユーゴ・アンベール（フランス）
AUCKLAND, NEW ZEALAND - JANUARY 18: Ugo Humbert of France celebrates with the trophy after winning the Men's final singles match against Benoit Paire of France at ASB Tennis Centre on January 18, 2020 in Auckland, New Zealand. (Photo by Hannah Peters/Getty Images)

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