デル ポトロが涙の記者会見で引退の可能性を示唆「自分の肉体的な限界は知っている」

写真は2018年ロレックス上海マスターズでのフアン マルティン・デル ポトロ(アルゼンチン)(Getty Images)


 2009年USオープン優勝者のフアン マルティン・デル ポトロ(アルゼンチン)が復帰戦となるブエノスアイレスとそれに続くリオデジャネイロのクレーコート大会を前に記者会見を行い、涙を滲ませながら引退の可能性を示唆した。デル ポトロは8ヵ月前の負傷から復帰の過程を進み始めたばかりのところだった2019年6月のクイーンズクラブの大会で右膝をふたたび痛め、そのあと手術を繰り返していた。

「僕はいつもすべてを克服してきた。僕はドアを閉じたくはない。テニスを愛しているから、(大会出場に)凄くワクワクしている」と話した彼は、「ここ2年半の間に僕は現実にそぐわないメッセージを送ってきたけど、今日は間違ったことを伝えないよう正直にならなければいけない」と続けた。

「正直になるなら、僕は別のときのように『奇跡のカムバックのためここにいるのではない』と言わなければならない。自分の肉体的な限界は知っている。あとで目にすることになるだろう」

 ツアー大会で「22」のタイトルを獲得した実績を持つデル ポトロは、2月7日から本戦が始まるアルゼンチン・オープン(ATP250)とその翌週開催のリオ・オープン(ATP500)からワイルドカード(主催者推薦枠)を受け取った。彼はインディアンウェルズで優勝した2018年には世界ランク自己最高3位に至ったが、負傷による活動停止により今や757位までランキングを落としている。

 デル ポトロは同じ会見で、このケガがテニスだけではなく彼の日常生活をいかに妨げてきたかについても説明した。

「僕は2年半の間、痛みとともに眠ってきた。僕はかつて(故郷の)タンディルまで3時間半も車を運転していたものだったけど、今はたびたび止まって脚をストレッチしなければならない。そんなことをするのは好きではないけど、そうしなければならないんだ。僕は健康と生活の質を取り戻すために戦っている」

 彼ははっきりと『引退』を宣言した訳ではなかったが、多くの人々がそのニュアンスを嗅ぎ取った。キャリアを通して多くのケガを経験してきたデル ポトロは、腰の問題に苦しめられていた元世界ナンバーワンのアンディ・マレー(イギリス)が2019年のオーストラリアン・オープンで涙ながらに引退の展望を語ったとき、SNSを通して真っ先に「諦めてはいけない!」と彼にエールを送った選手でもあった。



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写真◎Getty Images

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