18歳アルカラスがキツマノビッチとの死闘を制して準決勝に進出「まるでスペインでプレーしているようだった」 [マイアミ・オープン]
ATPツアー公式戦の「マイアミ・オープン」(ATP1000/アメリカ・フロリダ州マイアミ/3月23日~4月3日/賞金総額955万4920ドル/ハードコート)の男子シングルス準々決勝で第14シードのカルロス・アルカラス(スペイン)がミオミル・キツマノビッチ(セルビア)を第1セットと第3セットがタイブレークにもつれ込む死闘の末に7-6(5) 6-3 7-6(5)で倒し、ベスト4進出を決めた。
どちらに転んでもおかしくなかった大接戦を短いボレーにぎりぎりで追いついた末のバックハンドのパッシングショットで制した瞬間、18歳のアルカラスはネット際で膝をついて勝利を祝った。それから彼は試合の過酷さを表すかのようにネットに手を置いて息をつき、握手のために歩み寄ってきた好敵手を待った。
セットオールとなったあとにどちらも揺るがず、第3セットは互いがブレークチャンスを狙いながらキープし合う展開になった。ブレークポイントは一度もなかったが、小さなピンチはアルカラスのほうに先に訪れた。
22歳のキツマノビッチにラブゲームでキープを許したあと4-5から自分のサービスゲームで15-30とされたアルカラスだったが、彼はそこから深いバックハンドのダウン・ザ・ラインを叩きこんでイーブンに戻し、次のポイントを繊細なドロップローボレーでもぎ取って観客の歓声を煽るように腕を上下させた。
ストローク戦ではほぼ互角の戦いが続く中、アルカラスは最終セットのタイブレークでも0-2、1-3、そして3-5と劣勢に立たされた。しかし彼は3-5から周り込んでのフォアハンドのハードヒット&ドロップボレーでポイントを取って流れを逆転させ、最後はキツマノビッチが放ったバックハンドのドロップボレーをバックハンドでストレート切り返して相手を抜き、ハイレベルな熱戦に終止符を打った。
観客を幾度となく立ち上がらせた好試合のあと、アルカラスは「まるでスペインでプレーしているようだったよ。観客は素晴らしかった。彼らのエネルギーが僕の背中を押してくれたんだ。彼らがいなければ、今日の僕が準決勝に進出することは不可能だったろう」とコメントした。
「ミオミルは信じられないようなプレーをしていた。僕が高いレベルのプレーをしなければならないことはわかっていた。彼はこの試合に勝つチャンスを擁していた」と振り返ったアルカラスは、「僕は第3セット4-5の15-30から、素晴らしいショットを打つことができた」と前述の深いバックハンドのダウン・ザ・ラインに言及した。
第3セットのタイブレーク0-2からのポイントを含めて非常に重要な場面でドロップショットを使ってポイントを奪ったアルカラスは、相手をベースライン後方に押し込むために非常に強くボールを打ち続けた上でドロップショットを放つ戦略について「ドロップショットは僕の武器だ。僕はこのショットに自信を持っている。厳しい瞬間には、自分が持つ最高のショットを打たなければならない」と説明した。
ストローク戦でも決して相手に引けを取らなかったキツマノビッチは前週のインディアンウェルズでも8強入りし、このところ急速な成長ぶりを見せている。そして2大会連続でベスト4進出を決めたアルカラスはATPマスターズ1000大会で初の決勝行きをかけた次のラウンドで、第1シードのダニール・メドベージェフ(ロシア)を7-6(7) 6-3で破って勝ち上がったディフェンディング・チャンピオンで第8シードのホベルト・フルカチュ(ポーランド)と対戦する。
写真◎Getty Images
Pick up
-
2024-12-30
サービス第二弾!テニス丸ごと一冊サービス [技術の修正](堀内昌一 著)12月25日(水) 書籍&電子書籍同時発売
テニス丸ごと一冊サービス [技術の修正](堀内昌一 著)20
-
2024-12-12
テニスマガジン今後の予定(部活および新刊情報)
CHECK1テニスマガジンONLINEテニス界の最新情報を毎
-
2024-10-08
テニス丸ごと一冊サービス[増補版] QRコード(動画)付(堀内昌一 著)書籍&電子書籍
「テニスマガジン」のサービス特集をきっかけに、MOOK「テニ
-
2024-05-03
『テニスフィジバト道場』(横山正吾 著)テニスプレーヤーのための最新フィジカルトレーニング
Tennis Magazine extraシリーズテニスプレ
-
2024-02-05
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(荒木尚子/著)
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(
-
2023-04-03
『テニスの心理学~“心”技体を鍛えてメンタルタフになれ!』(佐藤雅幸著)
Tennis Magazine extraシリーズの最新刊『
Related
-
2022-04-01
フルカチュがメドベージェフの世界1位返り咲きを阻止、18歳アルカラスは2大会連続4強入り [マイアミ・オープン]
-
2022-04-01
「プレッシャーではなく、眩暈と疲労感があった」準々決勝敗退のメドベージェフ [マイアミ・オープン]
-
2022-04-01
前年覇者フルカチュがメドベージェフの世界1位復帰を阻止してベスト4進出 [マイアミ・オープン]
-
2022-03-31
ルードがズベレフから初勝利、初のマスターズ決勝進出をかけて伏兵セルンドロ兄と対決 [マイアミ・オープン]
-
2022-03-30
止まらないアルカラスの進撃、チチパスをふたたび倒して準々決勝へ [マイアミ・オープン]
Pick up
-
2024-12-30
サービス第二弾!テニス丸ごと一冊サービス [技術の修正](堀内昌一 著)12月25日(水) 書籍&電子書籍同時発売
テニス丸ごと一冊サービス [技術の修正](堀内昌一 著)20
-
2024-12-12
テニスマガジン今後の予定(部活および新刊情報)
CHECK1テニスマガジンONLINEテニス界の最新情報を毎
-
2024-10-08
テニス丸ごと一冊サービス[増補版] QRコード(動画)付(堀内昌一 著)書籍&電子書籍
「テニスマガジン」のサービス特集をきっかけに、MOOK「テニ
-
2024-05-03
『テニスフィジバト道場』(横山正吾 著)テニスプレーヤーのための最新フィジカルトレーニング
Tennis Magazine extraシリーズテニスプレ
-
2024-02-05
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(荒木尚子/著)
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(
-
2023-04-03
『テニスの心理学~“心”技体を鍛えてメンタルタフになれ!』(佐藤雅幸著)
Tennis Magazine extraシリーズの最新刊『