15歳の小田凱人(おだ・ときと)が車いすテニスでプロ宣言、「障害のある人でも活躍できる世の中へ」

車いすテニスのジュニア世界ランキング1位で15歳の小田凱人(おだ・ときと)が28日、オンラインで記者会見し、プロ宣言した。所属は東海理化。
すでにシニアの世界ランキングでも9位につける小田は、この春に義務教育を終えて通信制高校に進学したばかり。「以前から意識していたプロに、本当になれるのか、不安は少なからずあった。ただトップ選手と対戦していく中で、人生をかけて本気で戦っている姿を見てきて、(プロになるのは)年齢に関係なく必要だと感じた」という。
この4月からの進学で、テニスにより多くの時間をあてられる環境ができたこと、スポンサーを含め周囲の大きな支援を得て、専任コーチ(熊田浩也コーチ)と二人三脚で世界で活動していく環境も整ったことから大きな一歩を踏み出した。
しっかりとした言葉でプロとしての決意を述べていく中では、「障害のある人でも活躍できる世の中へ」「病気と戦う人を応援したい」という思いも言葉にした。
小田は2006年5月8日生まれ、愛知県出身。9歳のときに、左股関節に骨肉腫を発症し、車いす生活になった。主治医にリハビリのためスポーツをすすめられた中で、「びびっときた」のがテニス。そして始めるにあたって見た競技映像で、車いすテニス界のレジェンドである国枝慎吾(ユニクロ)の姿に魅かれたという。
今年1月のメルボルン車いすオープン準決勝で、その国枝と初めて対戦し、6-7(2) 6-7(1)の接戦で敗れた。「これまでの経験が最後に出た試合。負けたからこそ学ぶことが多かった」と小田は振り返る。

記者から、目標としている選手はいるかと聞かれたとき、小田は「いない」と答えた。理由は「世界1位になるために」ーー。「世界のトップ選手を尊敬しているし、学ぶことがある。でもライバルであり、いち選手と見ている」のだ。
小田の得意なプレーは、「自信を持って武器だと言えるサービスからのポイント展開」「一発で仕留める力強いショット」。それらの武器に注目しながら、これからの小田の活躍に注目しよう。
小田は、5月2日からポルトガルで行われる「ワールドチームカップ」(種目:男子、女子、クアード、ジュニア)に、国枝、眞田卓(凸版印刷)、三木拓也(トヨタ自動車)という日本を代表する選手たちともに男子日本代表として出場する。今夜、日本を離れる。
その後は、5月末のフレンチ・オープン車いすテニス部門に初出場。同大会は今年、8枠から12枠に増枠され、大きな機会を得た。プロとしての戦いは世界で始まる。

オンラインでプロ宣言した小田凱人。左はマネジメントを行う貝吹健 氏(一般社団法人トップアスリートグループ車いすテニス強化本部長)
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