ボトムハーフから密かに進撃するメドベージェフ「今日はすべてがうまくいった」 [フレンチ・オープン]

写真はダニール・メドベージェフ(ロシア)(Getty Images)


 今年2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦5月22日~6月5日/クレーコート)の男子シングルス3回戦で、第2シードのダニール・メドベージェフ(ロシア)が第28シードのミオミル・キツマノビッチ(セルビア)を6-2 6-4 6-2で下してベスト16に進出した。

 第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)、第5シードのラファエル・ナダル(スペイン)、第6シードのカルロス・アルカラス(スペイン)と注目の選手がひしめく男子のトップハーフ(ドローの上半分)とは対照的に、あまり話題に登らないボトムハーフ(ドローの下半分)でメドベージェフは密やかに勝ち進んでいる。ヘルニア手術から復帰したばかりということに加えクレーコートが不得意ということを自他ともに認めているため多くを期待されずに大会に臨んだが、ここまでのところその歩みは順調だ。

 勝利の直後に「今日はすべてがうまくいった。今日のような日もあるものだ。このような日がもっとあるといいね」と言って笑顔を見せたメドベージェフは、試合後の記者会見でも「厳しい相手に対するいい試合だった。正直に言って、試合前にはクレーコートでこんなスコアで勝てるとは思ってもいなかった。今日はやりたかったすべてが機能したよ。サービスもよかったし、すべてのリターンを返せているような気がしたくらいさ」と同様のことを繰り返した。

「もしかしたら彼は最高のレベルでプレーしていなかったのかもしれない。でも僕の側からも、彼の人生を可能な限り難しくしてやることができていたと思う」

 このロラン・ギャロスでの今後の展望を尋ねられたメドベージェフは、「そういうことを言うにはまだ時期尚早だけど、僕は進歩しつつある。今日の試合は厳しかった。今の僕にクレーコートでこれ以上いいプレーができるとは思わない。サービスはよく、もっとうまくできたはずのブレークポイントはふたつだけだった」と答えた。

 ケガから復帰したばかりにもかかわらずここまで3試合をストレートでクリアしているメドベージェフは、「肉体的な感覚はよかった。僕は4~5セットをプレーしていない。長い試合があればその場合にどうか見れるけれど、1~2回戦で5セットマッチはなかったからね」と話した。

 メドベージェフは次のラウンドで、ワイルドカード(主催者推薦枠)を得て参戦したジル・シモン(フランス)を6-2 6-4 6-2で破って勝ち上がった第20シードのマリン・チリッチ(クロアチア)と対戦する。今季の終わりに引退することを決めているシモンはこの日、最後のフレンチ・オープンを戦った。

 なおシモンに続いてユーゴ・ガストン(フランス)も19歳のオルガ・ルーネ(デンマーク)に敗れたため、大会の男女シングルスからすべてのフランス人選手が姿を消すことになった。

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写真◎Getty Images

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