「ケガがなければナンバーワンも狙えたはず」メドベージェフが大ケガのズベレフについてコメント
ATPツアー公式戦の「テラワートマン・オープン」(ATP500/ドイツ・ノルトライン ヴェストファーレン州ハレ/6月13~19日/賞金総額227万5275ユーロ/グラスコート)に第1シードで出場するダニール・メドベージェフ(ロシア)が大会への意気込みを語った。
グラスコートへの順応について。
「以前はグラスコートが一番好きなサーフェスだった。そのあとハードコートで素晴らしい成績を残せるようになったから、今はハードが一番好き。調子がいいときは、ハードコートで自分がどのタイミングで何をすべきか、しっかりと正しい判断ができる。でも、グラスコートは今も好きだ。先週のグラスコート大会でも決勝まで進んでいる。決勝ではもっといいプレーができたかもしれないが、そこがグラスコートの一番難しい部分でもある。決勝でのティム・ファン ライトフォヘン(オランダ)はサービスが素晴らしく、ビッグショットを何本も決めてきた。試合のリズムを変えなければならなかった。そこが今の課題でもある。グラスコートでは今も経験を積んでいる。ここに来て2日間練習しているが、今もグラスコートに慣れている段階だ。それでもグラスコートが好きだ。このサーフェスでいいプレーができると思っている。1日1日、グラスコートで少しでもいいプレーができるように練習しているんだ」
今大会1回戦でダビド・ゴファン(ベルギー)と対戦するが、過去の対戦で印象に残っているのは?
「2019年のシンシナティの決勝で対戦したのをよく憶えている。お互い、ATPマスターズ1000レベルの試合で初めての決勝だった。彼にとって今回はいいタイミングで、リベンジのチャンスがきたね。ダビドは素晴らしい選手。最近は苦しんでいるようだけど、本来の姿を取り戻しつつあるようだ。彼はグラスコートで素晴らしいプレーができる。3年前のウインブルドン3回戦で彼に敗れた試合をよく憶えている。とてもハイレベルなプレーができる。1回戦で当たるのはいいテストになる。彼は相手に多くの問題を引き起こせる選手。だから僕は勝つために全力を尽くす。いい試合になるだろう」
アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)のケガについてどう思った?
「ケガをした瞬間は映像を観ていなかった。でも、ライブスコアをチェックしていたんだ。第2セットがまだ終わっていないのに3時間を超えていた。それで、なかなかタイブレークが始まらないからおかしいと思っていたら、いろんな人からメッセージが届いたんだ。それで大ケガだと知った。どんな選手も、このような酷いケガが起きて欲しくないものだ。早く治って欲しいと思う。最高の状態で戻ってきて欲しい。彼自身がトップ選手でもあり、他のトップ選手と素晴らしい試合をし、僕ともいい試合をしてきた。グランドスラム以外のビッグな大会はほとんど優勝している。彼は僕より1個下で同世代。このようなライバルがいることは素晴らしいことだ。ジュニアの頃からよく知っている。早くケガを治して、またツアーの中でのトップ選手として戻ってきて欲しい。ケガがなければ、世界ナンバーワンになるチャンスも大きかったはずだ。でも、これが人生だ。彼は必ず戻ってくる」
グラスコートシーズンのよさ。
「グラスコートシーズンは他のサーフェスとは凄く違うが、フィーリングはいい。グラスコートでの戦いは、他のサーフェスとはかなり違う部分がある。ウインブルドンはロンドンという世界有数の都市で開催される。グラスコートでは落ち着いた気持ちでプレーできる。昨年ハレでは気分はよかったけど、結果は最悪だった。よりよい結果、テニスを見せるためにここに戻ってきた。グラスコートシーズンは、いつもスヘルトーヘンボスでスタートするのがいいね。田舎で、周囲にテニスコートしかない素晴らしい環境だからだ。ハレもそうだけど、こういう静かな環境が好きなんだ。いい練習をして1回戦から最高のプレーを見せたい」
スヘルトーヘンボスの決勝で敗れたファン ライトフォヘンについて。
「彼はジュニアの頃から知っているが、グラスコートでもいいプレーができる。昨日の決勝では驚いた。自分のゲームプランがあったけど、まったく機能しなかった。もっといいプレーができたはずなのに、と後悔の念はある。それと同時に彼のプレーが素晴らしかった。ファン ライトフォヘンにとって初めてのツアー決勝で、地元で戦うために緊張で潰れてしまう可能性もあった。そういう状況では2つの可能性がある。緊張でダメになるか、応援をエネルギーに変えて最高のプレーを見せるか。昨日は後者だった。彼が昨日のようなプレーをすれば、直ぐトップ30には入れるはずだ。1~2年後にはトップ10も十分可能だ。そこまで上がるのには少し時間がかかるけどね。ドローに恵まれるための運も必要になる。ボティック・ファン デ ザンツフープ(オランダ)のような例もある。昨年のUSオープンで準々決勝進出のサプライズを起こした。彼もオランダ出身だね。彼は今上昇中だ。プレーもいいし、ポテンシャルもあるし、向上中だ。でも、逆に一度大会で活躍しても、そのあとはいい成績を残せずに苦しむ例もたくさんある。彼には高い能力があるから、これから上昇していくのを見るのが楽しみだ」
写真◎Getty Images
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