キリオスが期待を背負って母国のグランドスラム大会へ「とにかく1日1日を頑張るだけ」 [オーストラリアン・オープン]

写真はオーストラリアン・オープン前の記者会見で話すニック・キリオス(オーストラリア)(Getty Images)


 今年最初のグランドスラム大会「オーストラリアン・オープン」(オーストラリア・ビクトリア州メルボルン/本戦1月16~29日/ハードコート)の組み合わせ抽選が行われ、第19シードのニック・キリオス(オーストラリア)は男子シングルス1回戦でロマン・サフィウリン(ロシア)と対戦することになった。

 昨年に何年かぶりの飛躍を見せてあらゆる意味で注目を集めるオーストラリア期待のキリオスは年頭のユナイテッドカップをケガのため欠場したが、何とか回復を間に合わせてオーストラリアン・オープンのコートに戻ってくる。

 大会直前にチャリティマッチに出場してノバク・ジョコビッチ(セルビア)と一戦交えたキリオスは、「そこでプレーするだけでも特権なのに、母国の人たちが僕に勝って欲しいと思ってくれたり優勝候補のひとりに推してくれるのはありがたいね」とコメントした。

 2014年に本戦デビューして翌年に8強入りしたキリオスは2018年と20年にも4回戦まで勝ち進み、昨年はタナシ・コキナキス(オーストラリア)と組んだ男子ダブルスで栄冠に輝いた。

「僕は8~9年前にワイルドカード(主催者推薦枠)としてオーストラリアン・オープンに参加した。それが今や皆が僕に最後のほうまで勝つことを期待するようになったキャリアを送ってきたことを考えると感慨深いね。でも同時に、それは大きなストレスにもなる。SNSなどで多くの人々が話題にしているから、集中するのは少し難しいよ」とキリオスは語った。

 プレッシャーが増えたにもかかわらず、キリオスは昨年のウインブルドンで決勝に進出した経験が今大会でも役に立つと考えている。

「あれ(ウインブルドン準優勝)は特別な瞬間だった。何より安堵したよ。いつも大会ごとに『彼はグランドスラム大会ではダメだ』『彼にはあれができな、これができない』といった外部からの雑音を聞いていたからね」とキリオスを回顧した。

「僕は自分がそのレベルにあると常に信じてはいたけど、一貫していいパフォーマンスを見せるということが常に問題だったんだ。そのような雑音やメディアの報道に対処しながらグランドスラム大会で決勝まで勝ち進み、コート内外でバランスを保つことがいかにストレスが多いものかを示していると思う。何度もグランドスラム大会で優勝している選手たちは、フィジカル面だけでなくメンタル面でもまさに怪物だよ」

 オーストラリアン・オープン1回戦は、彼にとって昨年10月に出場した東京以来の公式戦となる。

「僕はこれまでもあまり多くの試合を必要としない選手だった。昨シーズンは12~13大会に出場したけど、凄く多いと感じたよ。グランドスラム大会の前に多くの試合が必要な選手もいるけど、僕はより新鮮な気持ちで臨みたい。すべてをコントロールしているような感じでいるのが好きなんだ」とキリオスは自己分析した。

「僕が優勝候補だと考えて大きな期待をかける人たちがたくさんいるかもしれないけど、僕はとにかく1日1日を頑張るだけだ。今のところはすべてを正しくやっていると思うよ」

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写真◎Getty Images

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