アルカラスが終盤の危機を乗り越えチチパスとの準々決勝にストレート勝利「少し集中力を失っていた」 [フレンチ・オープン]

写真は試合後に握手を交わすカルロス・アルカラス(スペイン/左)とステファノス・チチパス(ギリシャ)(Getty Images)


 今年2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦5月28日~6月11日/クレーコート)の男子シングルス準々決勝で第1シードのカルロス・アルカラス(スペイン)が第5シードのステファノス・チチパス(ギリシャ)を6-2 6-1 7-6(5)で退け、同大会で初のベスト4進出を決めた。

 この日最大の注目マッチだったが、人々が期待していたようなスリルある戦いが始まったのは第3セット5-2からのレシーブゲームでアルカラスがマッチポイントを握ってからだった。

 出だしは拮抗していたものの、第1セット第3ゲームでアルカラスが最初のブレークを果たしてからはほぼアルカラスの輝きばかりが目立つ展開になった。しかしアルカラスが2セットを先取し、第3セット5-2で迎えたチチパスのサービスゲームで15-40と最初のマッチポイントを握ってから様相が変わった。

 第2セットからチチパスが目に見えて崩れていったことで図らずも集中力を緩めた様子のアルカラスは甘いスマッシュの処理をミスし、更にストロークやドロップショットなどでアンフォーストエラーを重ねてチャンスを逃してしまった。開き直って果敢に攻めてくるチチパスを前に次のサービスゲームも先にミスを犯してキープできず、勝負の行方はタイブレークに持ち込まれた。

 しかし直ぐに切り替えて体勢を建て直す強さを見せたアルカラスはループ状のリターンをドライブボレーで叩くなど勇敢さを見せ、6度目のマッチポイントでサーブ&ボレーを試み2本目のボレーを決めてストレートで試合を締めくくった。

 最後に訪れた小さな危機を乗り越えたアルカラスは、「僕はいつも自分を信じている。それがもっとも重要で、僕だけでなく誰にとっても大事なことだ。僕は常に自分がこのレベルでこのようなプレーができると信じている。それがすべてのカギなんだ」と試合後のオンコートインタビューで語った。

 第3セット5-2から起きたことについて振り返ったアルカラスは、「第3セットの終わりに僕は集中力を失ってしまっていた。リターンゲームで何本かマッチポイントがあり、それからキープすれば勝利というサービスゲームがあった。彼(チチパス)もいいプレーをし始めたけど、僕自身が少し集中力を失っていた」と明かした。

「僕は苦境に立たされたけど高いレベルでプレーして自分を信じ、問題を克服できて本当によかった。第3セットは自分が取ると信じていた。でも間違いなく試合の終わりは厳しかったよ」

 アルカラスはキャリア2度目のグランドスラム準決勝で、第11シードのカレン・ハチャノフ(ロシア)を4-6 7-6(0) 6-2 6-4で破って勝ち上がった第3シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)と対戦する。

 フランスのテレビで解説を務めていた元トップ選手のジョーウィルフリード・ツォンガ(フランス)は「アルカラスは目覚ましいプレーをしたけど、第3セットで見せたようにまだ不意に集中力を失って崩れることがある。これをジョコビッチのような相手に見せたら命取りになる」と指摘したが、当のアルカラスは「これは誰もが観たかった試合だ。観るにしろプレーするにしろ本当にいい試合だし、僕は本当にこの試合を戦いたかった」と意欲を示した。

「僕は常に『最高になりたいなら最高の選手に勝たなければならない』と言ってきた。ノバク・ジョコビッチは現時点で世界最高の選手のひとりだ。僕にとって本当に厳しいチャレンジになるだろう。でも素晴らしいレベルのプレーになると思うから、僕はこの試合を本当に楽しみにしているんだ」

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写真◎Getty Images

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