アルカラスが2大会連続でタイトル防衛に成功「この感動は決して忘れない」 [マドリッド・オープン]

写真は2大会連続でタイトル防衛に成功したカルロス・アルカラス(スペイン/中央)(Getty Images)


 ATPツアー公式戦「ムトゥア・マドリッド・オープン」(ATP1000/スペイン・マドリッド/4月26日~5月7日/賞金総額879万6536ユーロ/クレーコート)の男子シングルス決勝で第1シードのカルロス・アルカラス(スペイン)がラッキールーザー(予選決勝で敗れたが欠場者が出たため本戦出場権を得た選手)のヤン レナード・ストルフ(ドイツ)を6-4 3-6 6-3で倒し、2大会連続でタイトル防衛に成功した。

 強力なショットを打ち込んでくる相手の猛攻に素早いコートカバーリングで対抗したアルカラスは第1セットを先取したが、第2セットは強力なサービスを軸にネットプレーで攻め込んだストルフが取り返した。最初の2セットでファーストサーブからのポイント獲得率が60%と苦労したアルカラスは第3セットで81%まで改善し、長いラリー戦でも打ち勝つようになると第4ゲームでブレークしたリードを最後まで守りきって2時間35分で勝利を決めた。

「本当に厳しい試合だった。ヤンは素晴らしいプレーをしており、本当にアグレッシブだった。第2セットではブレークするチャンスが何度かあったけど、ものにすることができず相手に取られてしまった。あれは痛かったよ。それでも僕はどんなときもポジティブな姿勢を崩してはいけないと自分に言い聞かせてチャンスを伺い、やり遂げることができたんだ」とアルカラスは試合を振り返った。

 2日前に20歳の誕生日を迎えたばかりのアルカラスがツアー大会でタイトルを獲得したのは2週間前のバルセロナに続いてキャリア10度目(今季4度目)で、決勝での戦績は10勝3敗となった。アルカラスは昨年からスペインで開催されたツアー公式戦で負けておらず、連勝を「21」に伸ばした。

 同大会の同種目で2連覇を達成したのは2013年と14年に成し遂げたラファエル・ナダル(スペイン)以来で2人目となり、アルカラスは2005年と06年にモンテカルロとローマを制したナダル以降でATPマスターズ1000大会のタイトルを防衛した最年少の選手となった。

「母国であるここマドリッドでトロフィーを掲げることは、僕にとって本当に特別なことだ。ここでプレーしていい成績を挙げることは常に特別なことだし、チャンピオンになることは本当に素晴らしいことだ。母国のファンと家族や友人たちなど親しい人たちの前で勝つことができた。僕はこの感動を決して忘れないだろう」とアルカラスは試合後にコメントした。

 この成功によりアルカラスは、次週のローマに出場するだけでノバク・ジョコビッチ(セルビア)から世界ナンバーワンの座を奪い返すことができる。アルカラスが昨年のローマを右踵のケガで欠場したのに対し、ジョコビッチは優勝したためどれだけ勝ってもポイントを加算することができないのだ。

 敗れはしたがキャリア最高の快進撃を見せたストルフは、大会後に更新される世界ランクで2020年8月にマークした自己最高の29位を上回る28位に浮上することが確定した。彼は昨年3月にマイアミの1回戦で右足を負傷し、一時は16位以下までランキングを落としていた。ラッキールーザーの選手がATPマスターズ1000大会で決勝に進出したのは、史上初の快挙だった。

 前日にはダブルス決勝が行われ、カレン・ハチャノフ/アンドレイ・ルブレフ(ともにロシア)がロハン・ボパンナ(インド)/マシュー・エブデン(オーストラリア)とのノーシード対決を6-3 3-6 [10-3]で制して栄冠に輝いた。


男子ダブルス優勝のカレン・ハチャノフ(ロシア/右)とアンドレイ・ルブレフ(ロシア)(Getty Images)

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写真◎Getty Images

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