【ストリング選びに役立つ基礎用語】
あ|ア
アラミド繊維
ストリングの素材の一種。高性能繊維の中で高強力・高弾性率という特徴を持つ、スーパー繊維の代表。高強力が特徴のパラ系アラミド繊維と耐熱性などに優れるメタ系アラミド繊維の2種類がある
か|カ
ガット
日本ではストリングの総称として使うことが多いが、ガットは英語で腸の意味。羊の腸(ガット)が素材だったころの名残で使われているようだ。現在は牛の腸が主流で、ナチュラルストリングが天然のストリングの呼称となる
ゲージ
ストリングの太さ。現在は1.25~1.30㎜が一般的。細いほうが柔らかくなり、可動範囲が広がりストリングが大きく伸縮する。その反面、強度は格段に弱くなる。ストリングのパッケージには1.25なら125と3ケタ数字で表示されることもある
コントロール性
思い通りの場所へ、思い通りのボールを飛ばすことのできる性能
さ|サ
シャープ感
フェースのどこにボールが当たっているかが手に伝わる感触。「クリアな打球感」「打球感がハード」も同じ意味
シンセティックストリング
合成繊維でできたストリング。ナイロン、ポリエステルが主流でアラミド繊維もある
推奨テンション
ラケットメーカーがラケットに記載しており、ストリングを張る際のテンションの推奨される数値
ステンシルマーク
ラケットのフェースに描かれるメーカーロゴ。多くのプロ選手はラケットメーカーのロゴを入れるが、時折上にラケット、下にストリングロゴを入れる選手もいる。店舗で型紙とインクを購入して自分で描くこともできる
ストリンガー
ストリングを張る専門家。日本にはJRSA(日本ラケットストリンガーズ協会)があり、全国のストリンガーたちが所属している。認定試験があり、様々な活動が行われている。節約のために部室などに設置されたストリングマシンで張る学生も多い
ストリングマシン
ラケットにストリングを張るための機械。10万円を超える高価なものもある。以前は張りの強さが数値より低くなる傾向にあったが、現在は機械が改良され、数値通りの張り具合を実現できるようになった。その影響で、以前は60ポンドで張っていたのが、現在なら50ポンド程度で実質同等の張りになると言われている
スナップバック
ボールがフェースに当たった瞬間にストリングがボールに押されて食いつき、戻ることでボールに勢いと回転を与える現象のこと。ストリングを硬く張るとあまり動かず、柔らかめに張ると大きく動く。ただし、柔らかすぎると、逆にスナップバックしなくなってしまう
た|タ
耐久性
ストリングが本来の性能をどのくらい維持できるかということ。「切れにくい」という性能を表すときにも使う
テンション
緊張、張力の意味で、ストリングを張るときの引っ張る力。ポンドが単位として使われている。一般的なテンションと言われる50ポンドは22.68キロ。テンションが高くなると、ストリングは硬く張られ、硬い打球感でボールの飛びを抑えられる。テンションを低くすると、柔らかい打球感となり、ボールがよく飛ぶ
な|ナ
ナイロン
もっとも多く使われている合成繊維素材。伸縮性があり、比較的ナチュラルに近い性能を発揮するが、耐久性にやや欠ける。柔らかさがあり、肘などを痛める心配もないため、初心者やパワーで男性に劣る女性に適していると言われる。ただし、カラーを付けにくい素材のため、着色すると柔軟性が失われることもある。大きく分けて、大きな芯が一つ入ったモノフィラメント、芯が複数であるマルチフィラメントの2種類がある。ナチュラルより水分に強いが、ポリエステルには劣る
ナチュラルストリング
以前は羊の腸を使用していたため「シープガット」とも呼ばれていたが、現在は牛の腸の繊維で作られる天然素材のストリング。羊は毛を刈られたときのストレスでガットの質が低下することがあるため、牛に変えたという説もある。高価ではあるが、合成繊維よりもテンションを長く維持することができ、打球感もよいため現在も多くのプレーヤーに親しまれる。ただ、使用環境に大きく影響を受け、水分を含みやすく、雨の日にプレーするとストリングが2倍くらいに膨らむこともある。乾いても元の性能には戻らないため、濡れたコートでの使用はNG。現在のナチュラルは合成樹脂でコーティングされているものが多いものの、それでも湿気、水分には弱い
は|ハ
ハイブリッド
縦のメインストリングと横のクロスストリングを異なる素材にした張り方。両方の材質の良さが出ることが最大の魅力だ。多くのトッププロがポリエステルとナチュラルのハイブリッドで現在張っており、この張り方を推奨するストリンガーもいる。プロと同様にする一般プレーヤーもいるが、かなり高価になるため、ポリエステルとナイロンのハイブリッドにするケースも多い
反発性
スピードのあるボールを遠くへ飛ばす性能
ホールド感
ボールがフェースに乗っていることが手に伝わる感触。「食いつき感」「打球感がソフト、マイルド」も同じ意味
ポリウレタン
合成繊維の一種で主に素材同士を接着するときの加工剤として使われる。柔らかさが出る
ポリエステル
合成繊維の一種。ある一定以上の圧力を加えると急激に伸びる特性があるので、強い力を加えると反発性、ホールド感が高まる。プロなどパワープレーヤーに向いている。耐久性はあるが、テンション維持率は低い。プロは毎日のようにストリングを張り替えられるため、常によい状態で打てるが、一般のプレーヤーもナチュラルやナイロンに比べ、早い時期の張り替えが推奨される。素材自体が加工しやすく、素材の特性を変えずに色を付けることができるため、いろんなカラーバリエーションをつくりやすいメリットがある。ナチュラル、ナイロンに比べると、もっとも水分を吸収しにくいが、多少の影響は受ける
ま|マ
マルチフィラメント
ナイロン素材で、芯が複数(マルチ)の繊維を束ねてつくられているストリング。ナチュラルに近い構造のため、打球感もそれに近づく。モノフィラメントより複雑なつくりのため、価格は少し高い
面圧
張り上がったストリング面の硬さ。専用の機械でフェースに加重を加えて、どのくらいしなるかで測定する
モノフィラメント
ナイロン素材で、芯が一つ(モノ)のストリング。中央に一つ太い芯があり、その周りに繊維を巻き付けてつくられる。マルチよりも安価に作ることができる
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