死闘の末に逆転勝利のガウフが大会初優勝「必死で食らいつこうとした」 [WTAファイナルズ]
女子トップ8によるエリート大会「WTAファイナルズ・リヤド」(ファイナルズ/サウジアラビア・リヤド/11月2~9日/賞金総額1525万ドル/室内ハードコート)の女子シングルス決勝で、第3シードのココ・ガウフ(アメリカ)が第7シードのジェン・チンウェン(中国)に3-6 6-4 7-6(2)で逆転勝利をおさめて栄冠に輝いた。
ジェンは第1セット3-3から5ゲームを連取して優位に立っていたが、第2セット1-3から4ゲーム連取で逆転したガウフが試合を振り出しに戻した。ガウフは第3セットで2度先行されながらその都度追いつき、もつれ込んだタイブレークで6-0とリードすると3度目のチャンピオンシップポイントをものにした。
ネットに当たって短くなったジェンのリターンをオープンコートに決めて激闘に終止符が打たれた瞬間、ガウフはコートに倒れ込んで勝利を終わった。試合時間3時間4分は、WTA(女子テニス協会)が統計を取り始めた2008年以降のWTAファイナルズでもっとも長い決勝となる。
「とにかく粘り強く踏ん張り続け、すべてのポイントでファイトしようと心掛けた。あと数ポイントで負けそうだったけど、必死で食らいつこうとしたわ。自分自身を本当に誇りに思う」とガウフは試合後の記者会見で語った。
「試合が終わってコートに倒れ込んだけど、自分がこんなことをするとは思っていなかった。それはグランドスラム大会で優勝したときに取っておこうと誓っていたから。でも試合展開があのようになったから、疲れて地面に横になりたいと思ったの」
勝利目前まで迫りながら敗れたジェンは、「今日の試合はいくつかの重要なポイントが勝負を分けただけだった。これ以上言うことはない。非常に接戦だった。このような試合ではテニスそのものより、瞬間的な判断で明暗が分かれてしまう」と悔しさを滲ませた。
「試合に負けたら、そこには学ぶべき教訓がある。だからここにはポジティブなことがたくさんある。WTAファイナルズは初めてで、私はここにいる訳だから。同時に決勝で負けたことは確かに辛い。でも次はもっとうまくいくかもしれないわ」
オーストラリアン・オープン準優勝から始まった飛躍のシーズンでパリ五輪金メダルとWTAツアーで2つのタイトルを獲得したジェンは最高の形で終えることはできなかったが、USオープン以降の4大会で15勝4敗の好成績を残したことでトップ5デビューを決めた。
先に行われたダブルス決勝では第2シードのガブリエラ・ダブロウスキー(カナダ)/エリン・ロウトリフ(ニュージーランド)が第8シードのカテリーナ・シニアコバ(チェコ)/テイラー・タウンゼント(アメリカ)との全勝対決を7-5 6-3で制し、昨年のUSオープンに次ぐビッグタイトルを獲得した。
WTAファイナルズはWTAツアー最終戦で、今季の成績上位8名(ダブルスは8組)のみで争われる。4人(ダブルスは4組)ずつのグループに分かれたラウンドロビンを行い、上位2名(ダブルスは2組)ずつが決勝トーナメントに進出する形式で行われる。
写真◎Getty Images
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