「今はいいプレーができれば上の選手に勝てる」 ベキッチを倒してベスト8進出の土居美咲 [東レPPO]
大阪市・ITC靱テニスセンターで開催されている「東レ パン・パシフィック・オープン」(WTAプレミア/9月16~22日/賞金総額82万3000ドル/ハードコート)のシングルス2回戦で、ワイルドカード(主催者推薦枠)で出場の土居美咲(ミキハウス)が第7シードのドナ・ベキッチを7-6(5) 6-3で下し、ベスト8に進出。大坂なおみ(日清食品)とともに日本人選手2人の準々決勝進出は2001年大会の杉山愛、浅越しのぶ以来18年ぶりのこととなる。
7月30日にサンノゼで対戦したときは、フルセットの末にベキッチが勝利をおさめていた。しかし、その敗戦の中で土居は、「次の対戦では倒せる」という手ごたえをつかんでいた。その自信とともに過去3度の対戦で相手のウィークポイントを洗い出し、十分な準備をして臨んだ一戦だった。
しかし、それでも世界ランク21位の地力のある相手。序盤はベキッチの強烈なサービスを返せず、簡単にキープされた。逆に自分のサービスゲームは何とかキープして食らいつくが、2-2から先にブレークを許してしまう。
4-5で迎えたベキッチのサービスゲームでは40-15とセットポイントを握られるが、「無我夢中」で反撃して連続ポイントでしのぐと、ブレークに成功して5-5に追いついた。
そのままタイブレークにもつれ、5-5から鮮やかなバックハンドのリターンエースを決めてミニブレークすると、スタンドからこの日一番の大歓声が上がる。次のポイントでベキッチのフォアハンドがネットにかかり、第1セットを奪った。
第2セットは最初に2ゲーム連取を許すが、「相手が自信を持ってブレークした訳ではない」と冷静に相手の状態を分析した。必要以上に焦ることなく自信を持って冷静に戦い、2連続ブレークを含む4ゲーム連取で4-2とリード。5-3から3度目のブレークに成功して勝負を決めた。
「今まで日本でいい結果を残せていなかったので、物凄くうれしい。いいプレーができれば上の選手にも勝てると思っていた」と記者会見でも笑顔を見せ、喜びをかみしめている様子だった。
昨年300台まで落ちたランキングも、最近の好成績でトップ100に返り咲き。2016年10月にマークしたキャリアハイの30位を更新できるのではないかと期待させるだけの、確かな自信がみなぎっていた。
(文◎池田晋)(写真◎牛島寿人)
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