内なる思いから解放されたキーズが2017年USオープン以来のチャンスを掴んでグランドスラム初優勝「大きな重荷だった」 [オーストラリアン・オープン]

写真はグランドスラム初優勝を飾ったマディソン・キーズ(アメリカ/左)とコーチで夫でもあるビヨン・フラタンジェロ(アメリカ)(Getty Images)


 シーズン最初のグランドスラム大会「オーストラリアン・オープン」(オーストラリア・ビクトリア州メルボルン/本戦1月12~26日/ハードコート)の女子シングルス決勝で、第19シードのマディソン・キーズ(アメリカ)が第1シードのアーニャ・サバレンカ(ベラルーシ)に6-3 2-6 7-5で競り勝ち四大大会初優勝を飾った。

 スタートダッシュに成功して第1セットを先取したキーズは2度サービスダウンを喫して第2セットを取り返されたが、第3セット6-5からのレシーブゲームで迎えた2度目のチャンピオンシップポイントをフォアハンドのウィナーでものにして2時間2分で歓喜の瞬間を迎えた。

 大会前週のアデレードで昨年5月以来のツアー9勝目を挙げたキーズは、自己最長の連勝を「12」に伸ばした。2022年もアデレード(WTA250で開催)で勝って全豪を迎えたが、準決勝でアシュリー・バーティ(オーストラリア)に1-6 3-6で敗れて止められていた。

 勝利が決まった瞬間に感極まった表情で両手を突き上げたキーズは、ネット際で握手を交わしたあとコーチで夫でもあるビヨン・フラタンジェロ(アメリカ)のもとへ向かって抱擁を交わした。

 第2シードのイガ・シフィオンテク(ポーランド)に対する準決勝でマッチポイントを凌いだ末に5-7 6-1 7-6(10-8)で逆転勝利をおさめていたキーズは、「あの試合に勝ったのが本当に大きなハードルだった」とターニングポイントを振り返った。

「私はいつもできると信じていたけど、あのような形で勝つなんて…。あれがあって、土曜日の決勝には絶対勝てると自分に言い聞かせた」

 2017年USオープンで初めて四大大会決勝を経験したキーズは緊張のあまり自分のテニスがまったくできず、同胞のスローン・スティーブンス(アメリカ)に3-6 0-6で完敗していた。

「かなり若い頃から私は『グランドスラム大会で優勝しなければ人々の期待に応えられない』と感じていた。それは大きな重荷だった」とキーズは明かした。

「そしてようやくグランドスラムで優勝しようとしまいと自分自身とキャリアに誇りを持てるようになった。ついに(グランドスラムで)勝てなくてもいいと思えるようになったの。いいキャリアを送ったとか自分が偉大なテニス選手として語られるに値すると感じるためにそんなものは必要なくなった」

「最終的にそのような内なる思いから解放されたような気がする。そうすることで本当にいいテニスができるようになり、グランドスラムで優勝できる能力が身に着いたのだと思う」

 この結果でキーズはトップ10復帰が確定し、2016年10月にマークした世界ランク自己最高タイの7位に浮上する見込みとなっている。

 26歳のサバレンカは1999年に成し遂げたマルチナ・ヒンギス(スイス)以来となる同種目の3連覇を目指していたが、全豪での連勝は「20」でストップした。

続きを読むには、部員登録が必要です。

部員登録(無料/メール登録)すると、部員限定記事が無制限でお読みいただけます。

いますぐ登録

写真◎Getty Images

Pick up

Related

Ranking of articles