2022年大会優勝者シフィオンテクが敗れる番狂わせ、19歳エアラのシンデレラ・ストーリーは準決勝に延長 [マイアミ・オープン]

写真はアレクサンドラ・エアラ(フィリピン)(Getty Images)


 WTAツアー公式戦「マイアミ・オープン」(WTA1000/アメリカ・フロリダ州マイアミ/3月18~30日/賞金総額896万3700ドル/ハードコート)の女子シングルス準々決勝で、ワイルドカード(主催者推薦枠)を得て参戦した19歳のアレクサンドラ・エアラ(フィリピン)が2022年大会チャンピオンで第2シードのイガ・シフィオンテク(ポーランド)を6-2 7-5で倒す番狂わせを演じてベスト4進出を果たした。

 2度サービスダウンを喫しながらも相手のサービスゲームをすべて破って第1セットを先取したエアラは一進一退の第2セットで4-4からブレークを許したが、続く3ゲームを連取して1時間39分で大金星をもぎ取った。

 2022年全米ジュニア優勝者のエアラはフィリピンのスポーツ一家出身で、13歳のときからスペイン・マヨルカ島マナコールにあるラファ・ナダル・アカデミーで腕を磨いてきた。エアラは2023年に同アカデミーを卒業したが、シフィオンテクはその年の卒業式に出席していた。

「今この瞬間は信じられない気持ちでいっぱいだわ。この上なく幸せよ」とエアラは試合後のオンコートインタビューで語った。

 アカデミーの卒業式でラファエル・ナダル(スペイン)とシフィオンテクと一緒に写った写真のことについて聞かれたエアラは、「あまりにも現実離れしている」と答えた。

「私はあの写真とまったく同じ人間だと感じている。でももちろん状況は変わった。この舞台でこのような選手と競い合えるなんて本当に幸せだし、幸運だと感じている」

 2回戦で第25シードのエレナ・オスタペンコ(ラトビア)に7-6(2) 7-5で競り勝った世界ランク140位のエアラは1975年にWTAランキングが始まってからトップ30の選手に勝った初のフィリピン人選手となっていたが、第5シードのマディソン・キーズ(アメリカ)に対する3回戦に続くトップ5の選手に対する勝利で母国の歴史をまたも塗り替えた。

 世界ランク140位で今大会を迎えたエアラは、今回の活躍でトップ100デビューが確実となった。

 1大会で3人のグランドスラム優勝経験者を下したエアラは次のラウンドで、2021年USオープン優勝者のエマ・ラドゥカヌ(イギリス)を6-4 6-7(3) 6-2で破って勝ち上がった第4シードのジェシカ・ペグラ(アメリカ)と対戦する。

 シフィオンテクがツアーレベルでトップ100圏外の選手に負けたのは、当時338位だったアナ・コニュ(クロアチア)に4-6 6-2 2-6で敗れた2021年の同大会3回戦以来でキャリア3度目となる。シフィオンテクは第1セットで19本、第2セットでは13本のアンフォーストエラーを犯した。

「ベストのプレーができていなかったのは確かだし、フォアハンドが少し崩れていたように感じたから快適ではなかった。アレクサンドラはチャンスを生かして私を追い詰めたから、間違いなく勝利に値する」とシフィオンテクは試合後にコメントした。

「このことについてあまり長く考えていたくない。敗戦から学ぶのはいいことだけど、これから先にもいろんなことが待っている。クレーコートでプレーできるのを楽しみにしている」

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写真◎Getty Images

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