準優勝のメドベデフ「全身全霊で戦った、僕のために観客のために」 [USオープン]

「USオープン」(アメリカ・ニューヨーク/8月26日~9月8日/ハードコート)の男子シングルス決勝----1週間前には、USオープンの観客たちがダニール・メドべデフに大声援を送るなどと想像し難いことだった。ブーイングを愛し、自分を野次れば野次るほど自分は勝つのだと挑戦的に言っていた男がその日曜日に突然、自分への声援を耳にしたのである。メドベデフはそのプレーによって観客の心を勝ちとった。そして、そのふるまいによっても。

 コート上の勇気ある奮闘には、試合後の慎ましい言葉が続いた。彼は初めてのグランドスラム決勝での5-7 3-6 7-5 6-4 4-6の敗戦のあと、ラファエル・ナダル(スペイン)に祝福の言葉を述べ、観客に挨拶をした。

「素晴らしい試合だった。驚きのストーリーだった」とメドベデフは振り返った。

「この夏を通し、僕にとって驚くべき経験だった。僕はすべての瞬間を心にとどめることだろう」

 23歳のメドベデフは試合後のコート上のスピーチでユーモアに富んでいるところを見せ、初めはより早く終わるように見えていた4時間50分のスリルある熱戦ですでに楽しみを与えられた観客たちに追加的エンターテイメントを提供した。

 ナダルは最初の2セットを取り、それから第3セットでもメドベデフのサービスをブレークして3-2とリードした。USオープン決勝で2セットダウンからカムバックして勝った選手はここ70年で誰一人おらず、ナダルがグランドスラム大会で2セットリードから逆転負けしたことは一度しかなかった。

 しかしメドベデフは、より長くとどまりたがるアーサー・アッシュ・スタジアムの観客に後押しされて戦い続けた。

 そして結果的に、ずっと長くとどまることになったのである。

「驚くべきパフォーマンスだった。彼はこの経験から学び、これからどんどん強くなっていくことだろう」とメドベデフのコーチであるジル・セルバラ氏は教え子の健闘を称えた。

「素晴らしい試合だった。第5セットで彼はついにやってのけるのではないかと感じていたので、我々は非常にがっかりしている」

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