19歳アンドレスクが本戦初出場初優勝の快挙、セレナはまたも足踏み [USオープン]
1968年に始まったオープン化以降の時代で、アンドレスクは本戦初出場のグランドスラム大会で優勝に至った初の女子プレーヤーとなった。わずか1年前、アンドレスクは予選1回戦で敗れて本戦出場権を得ることすらできなかったのである。
彼女はそのまだ始まったばかりのキャリアで4つのグランドスラム大会に出場したことがあるだけであり、出場4回目のグランドスラム大会で優勝した1990年のモニカ・セレス(アメリカ)以来の選手となった。
フラッシングメドウの決勝でセレナが敗れたのは、これで2年連続だ。
2年前の出産と産休のあとにツアーに復帰して以来、セレナは出場したグランドスラム7大会のうち4つで準優勝したことになる。37歳のセレナは、グランドスラムの優勝回数で史上最多記録を持つマーガレット・コート(オーストラリア)よりひとつ少ない「23」のまま増やすことができないままでいる。
「私は必ずしも記録を追っている訳じゃない。私はただ、グランドスラム大会で優勝しようとしているだけなのよ。間違いなくフラストレーションを感じてはいるわ」とセレナはコメントした。
自分が負けたのはいいプレーをしたアンドレスクの功績だと彼女は言ったが、またこうも付け加えた。
「正直に言って、今日の私は自分のベストテニスをしていなかった。もっといいプレーができたはずだった。これが、今この瞬間の唯一の慰めだわ」
決勝でのセレナは総じて8本のダブルフォールトを犯し、うち3本はブレークポイントでのものだった。それはセレナが犯した33本のアンフォーストエラーの一部であり、この数はアンドレスクの17本と比べて2倍近かった。
グランドスラム大会のシングルスで優勝した初のカナダ人プレーヤーとなったアンドレスクは第2セットで5-1とリードし、そこから自分のサービスゲームを迎えて40-30とマッチポイントを手にしさえした。しかしセレナは、時速169kmものフォアハンドのウイナーでその危機を凌いだ。
それがセレナの4ゲーム連取の疾走の始まりだった。セレナはふたたびブレークに成功して5-5と追いついたのだ。
「想定内のことだったわ。彼女は名選手で、歴史に名を成すチャンピオンよ。それがチャンピオンがやることなのよ。彼女はそれ(1セットダウンからの挽回)を、キャリアを通して何度も何度もやってきたわ」とアンドレスクは振り返った。
恐らく彼女は、セレナが第1セットを落としながらも挽回してグランドスラムの試合に勝った回数の最多記録保持者であることを知っていたのだろう。
「でも、私はできる限り落ち着きを保ち続けようと努めた。すべてを頭から締め出すのは難しいことだけど、今日私はその点でかなりいい仕事をしたと思うわ」
確かに、彼女はいい仕事をした。アンドレスクはセレナに対して、あらゆるナーバスさに対して、そしてセレナをサポートする騒々し観客などすべての物事に対して強い決意で戦いを挑み、最後の2ゲームを取ったのだから。
「目の前にあったはずの勝利が、手から滑り落ちそうになっていた。セレナが少しリズムをつかみ始めたのが感じ取れた。セレナは自分を見つけ始め、より堅固になりつつあった。観客は怒号を上げ、入れ込み始めていた。コートの外から『集中力を保つんだ』云々と言うのは簡単だが、それは本当に圧倒される状況なんだ。その一言に尽きる」とアンドレスクのコーチを務めるシルバン・ブルノー氏はそのときの状況を説明した。
「だから彼女が、どちらに転んでもおかしくなかった5-5の場面であのようにリセットできるというのは、本当に特別なことだ。非常に、非常に特別だよ。それは多くのことを示している」
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