フェデラー、ワウリンカのいない今、ベンチッチに芽生えた“スイス魂” [USオープン]

アメリカ・ニューヨークで開催されている「USオープン」(8月26日~9月8日/ハードコート)の大会10日目。ベリンダ・ベンチッチ(スイス)は、ロジャー・フェデラー(スイス)とスタン・ワウリンカ(スイス)のふたりがUSオープンを去り、スイスに悲しみが立ち込めていることを知っていた。
彼女はその落ちた気分を少しでも高めるために自分なりの役割を演じ、優勝杯を掲げる可能性を維持したのだ。ベンチッチは水曜日に第23シードのドナ・ベキッチ(クロアチア)を7-6(5) 6-3で倒し、 初のグランドスラム大会ベスト4入りを果たした。
「男子選手も準決勝に進めていたらどんなによかったかと思うわ」とベンチッチはコメントした。
「でも、自分が彼ら(スイス国民)のために少しでもいい活躍し、彼らをがっかりさせないようにできることをうれしく思う」
第13シードのベンチッチは、自分が今大会のシングルスで最後まで勝ち残ったスイス人となったことに驚いていると言った。
USオープンで5度優勝を遂げている第3シードのフェデラーは、準々決勝で世界ランク78位のグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)に5セットの末敗れた。その少し前には、2016年USオープン優勝者で第23シードのワウリンカが第5シードのダニール・メドベデフ(ロシア)にセットカウント1-3で敗れ、準決勝進出を阻まれた。ワウリンカは4回戦で世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)を退けていた。
「これはいいことじゃない」とベンチッチは残念がった。
「実際、私はこの結果が悲しくて落ち込んだわ」
ベンチッチは1月のホップマンカップで、フェデラーとチームを組んでシーズンを始めた。そして、いま彼女はグランドスラム・チャンピオンとして彼に合流する可能性を手にしている。フェデラーはグランドスラムで「20」のタイトルを持つ男子の最多優勝者だ。
「すべてのテニスプレーヤーの夢は、いうまでもなく大舞台で優勝することだと思う」とベンチッチは語った。
「世界1位になったり、グランドスラム大会で優勝したりすることは、常に夢だと思う。でもそこに至るにはまだまだ長い道のりがあるわ」
(APライター◎ブライアン・マホニー/構成◎テニスマガジン)
※写真はベリンダ・ベンチッチ(スイス)(撮影◎毛受亮介 / RYOSUKE MAENJU)
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