苦難を乗り越えた末に訪れたシンデレラストーリー、フワリンスカが予選から本戦デビューで準優勝の快挙「忘れられない3週間になった」 [フレンチ・オープン]

写真は本戦初出場にして準優勝を飾ったマヤ・フワリンスカ(ポーランド)(Getty Images)


 シーズン2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦5月24日~6月7日/クレーコート)の女子シングルス決勝で、第8シードのミルラ・アンドレエワ(ロシア)が予選から勝ち上がってきた世界ランク114位のマヤ・フワリンスカ(ポーランド)を6-3 6-2で退け四大大会初優勝を飾った。

 16歳だった3年前に初めてグランドスラム大会一般の部に予選から出場して3回戦まで勝ち進んだアンドレエワは翌年にグランドスラム自己最高のベスト4をマークしていたが、10代最後のフレンチ・オープンでついにタイトルを獲得した。

 第4ゲームまでサービスダウンが続いたあとアンドレエワが第1セット2-3から9ゲームを連取して主導権を握り、2ゲームを取られて迎えた5-2からのレシーブゲームを4ポイント連取で締めくくって1時間22分で歓喜の瞬間を迎えた。

 グランドスラム参戦が15大会目だった24歳のフワリンスカが過去に本戦でプレーしたのは2度あるが、勝ち星を挙げたのは予選を突破して2回戦まで勝ち進んだ2022年のウインブルドンだけだった。

 グランドスラム大会の同種目で予選勝者が決勝に進出したのは、2021年USオープンで優勝を飾ったエマ・ラドゥカヌ(イギリス)以来でオープン化以降2人目の快挙となる。

 同じくロラン・ギャロスの本戦初出場で決勝に進出したのは1971年のイボンヌ・グーラゴング(オーストラリア)と73年のクリス・エバート(アメリカ)に次ぐ3人目だが、フワリンスカはそれを予選からやってのけた。

「間違いなく忘れられない3週間になった。本当に素晴らしい時間だったし、この3週間のことは絶対に忘れないでしょうね」とフワリンスカは試合後の記者会見で語った。

「今日は本当に厳しい試合だった。今日のミルラは私よりもずっと優れた選手で勝利に値したけど、自分の努力を誇りに思っている。全力を尽くしたわ」

 2016年ジュニアフェドカップドカップ(現ビリージーンキングカップジュニア)で親友であるイガ・シフィオンテク(ポーランド)とともに母国の優勝に貢献したフワリンスカはそれからプロとしてのキャリアを歩み始めたが、2021年ウインブルドンの予選1回戦で敗れたあとメンタルヘルスの問題(うつ病)に苦しみ半年ほど完全にツアーから離れていた。

 復帰後にITFツアーで好成績をおさめたフワリンスカは300位以下から翌年の9月に150位台までランキングを上げながら今度は右膝の手術でふたたび戦線離脱を余儀なくされ、戻ってからもウイルス性の合併症に悩まされるなど苦しい時期を経験していた。

「大きな飛躍が突然訪れたけど、実際には18年間に渡って根気強くハードワークを積み重ねてきたおかげなの」とフワリンスカは苦しい時期を振り返った。

「ここに辿り着くまでに本当に多くの困難を乗り越えてきた。人生は不思議なもので、ひたすら自分のやることを信じて邁進すればいつか必ずうまくいくと信じるしかない。私はそれを実現することができて幸運だと思っている」

 ツアー下部大会を主戦場としてきたフワリンスカは今月にマークした113位がシングルスの自己最高だったが、今回の活躍でトップ20入り目前まで浮上することが確実となっている。

 グラスコートシーンについて聞かれたフワリンスカは、「この大会が終わったら3週間ほど休暇を取るつもりよ。間違いなく少し充電する時間が必要だし、今年はウインブルドンだけプレーするわ」と答えた。

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写真◎Getty Images

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