マレーがついに戻って来る! シングルスに復帰 [ウェスタン&サザン・オープン]
アメリカ・シンシナティで開幕した「ウェスタン&サザン・オープン」(ATP1000/アメリカ・オハイオ州シンシナティ/8月11~18日/賞金総額673万5690ドル/ハードコート)で、アンディ・マレー(イギリス)は痛んでいる様子もなく、終始いい動きを見せつつ短い練習を終えたあと、コートから立ち去るときに微笑みを浮かべていた。
引退?ーーその話は今、彼の頭にはない。
反対に、グランドスラム大会を3度制した男はマスターズ大会でふたたびシングルスの試合をプレーするため戦場に戻ってきたのである。
ウェスタン&サザン・オープン初日で、マレーは注目の的だった。痛みに苦しみながら戦い、敗れたオーストラリアン・オープンからの退出で、彼はキャリアの終わりは近いと考えた。
しかし彼は最後の望みをかけて1月に人工股関節を挿入する2度目の手術を受け、痛みを除去することに成功して“展望”を完全に変えた。
大きな困難を乗り越えての彼の予想外の復帰は、月曜日の午後の1回戦でリシャール・ガスケ(フランス)と対戦するときに更なる一歩を踏むことになるだろう。彼にふたたび最高レベルでプレーする準備が整う前に、まだまだ多くの挑戦と難問が残っている。
「それが、僕が身を置いている状況だ。そして僕は6ヵ月前に今のこの状況をオファーされたなら、間違いなく飛びついて契約していただろうね」とマレーは心境を明かした。彼は胸に『BELIEVE(信じろ)』と書かれたシャツを身に着けていた。
「それが、序盤戦でいくつかのエキサイティングな試合を生み出す役に立つよう願っている」
ひとたび手術が長いこと彼をよろめかせていた痛みを除去すると、32歳のマレーはカムバックに向けて歩み始めた。彼はいくつかの大会でダブルスをプレーし、その中にはセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)と組んで戦ったウインブルドン、兄ジェイミーマレー(イギリス)と組んでプレーしたシティ・オ―プンがあった。
ここ数週間に渡ってシングルスの練習を行ったあと、マレーはゴーサインを出すに十分なだけよい感触を覚えた。ウェスタン&サザン・オープンが彼にワイルドカード(主催者推薦枠)を与え、そして彼はそれを使ってこのシンシナティの大会本戦に出場することになったのである。
「痛みはまったく感じていない」とマレーは明言した。
「かつてと同じくらいいい動きをすることを期待してはいないよ。それでも多分、今よりいい動きをすることはできるだろうと思っている。でも、それには時間が必要だろう。僕がシングルスをプレーし始めたのは、ほんの数週間前のことなんだ。また僕の臀部の手術からの体調の改善も進行中だ。だから来たる数ヵ月の間に段階を追ってコンディションを向上させていくつもりだよ」
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