コロナ感染を乗り越え、ソアレスがパビッチとのコンビでふたたび男子ダブルスを制す [USオープン]
今年ふたつ目となるグランドスラム「USオープン」(アメリカ・ニューヨーク/本戦8月31日~9月13日/ハードコート)の大会11日目は、女子シングルス準決勝2試合と男子ダブルス決勝などが行われた。
フラッシングメドウで優勝することにより、 ブルーノ・ソアレス(ブラジル)は新型コロナウイルス(COVID-19)に対する戦いからの復帰を完了させた。
ソアレスはマテ・パビッチ(クロアチア)と組み、男子ダブルス決勝で第8シードのヴェスレイ・クールホフ(オランダ)/ニコラ・メクティッチ(クロアチア)を7-5 6-3で下した。
COVID-19に感染していたことを明かしたソアレスは、症状は軽いものでGOサインが出る前に2週間の自主隔離を行ったと説明した。しかし、この病気のせいで調子を整えることができなかったためニューヨークでの前哨戦では1回戦で敗れ、本番前にパビッチと1試合しかできなかったのだと語った。
「辛かったのは、自主隔離していた14日間は何もできなかったことだ。それからほぼ真っすぐに、ここにやって来たんだ」とソアレスは話した。「正直に言って、ここでプレーすることができて本当にうれしかったよ」。
パンデミックのために今大会で最初の表彰式が行われている間、チャンピオンに喝采を送るファンたちはいなかった。
「誰にとって厳しい年だ」とソアレスは空っぽのスタンドに向かってスピーチした。「間もなく普通の生活に戻れるように願っている。でも我々は、すべてに対して非常に感謝している」。
グランドスラムの同種目では38歳のソアレスが2016年にジェイミー・マレー(イギリス)とのコンビで全豪と全米を制しており、27歳のパビッチはオリバー・マラック(オーストリア)と組んで2018年に全豪でタイトルを獲得していた。
昨年6月からペアを組み始めたパビッチ/ソアレスは同年10月に上海(ATP1000/ハードコート)で初タイトルを獲得したが、18勝15敗という平凡な戦績でこの大会を迎えていた。
「これは、ハードワークを積んで忍耐力を持てば成果を生むということを証明している」とソアレスはコメントした。
今大会でのパビッチ/ソアレスは、最初の2試合で一時は劣勢に立たされていた。2回戦では第1セットを落として第2セットでも先にブレークを許したが、そこから挽回していた。
「厳しい試合があった」とパビッチは振り返った。「僕たちは厳しい瞬間を通り抜け、今ここで優勝杯を掲げることができて本当に幸せだ」。
彼とソアレスは、ファンが不在でも彼らの興奮が少なくなることはないという点で同意していた。
「コートに入場していったとき、グランドスラム決勝をふたたび戦う興奮に変わらず鳥肌が立ったよ」とソアレスは打ち明けた。
「試合に勝ったときの感慨は何も変わらないよ。奇妙な状況だが、トロフィーは同じだ。グランドスラムのタイトルは、永遠に僕らとともにあるんだよ」(APライター◎スティーブン・ワイン/構成◎テニスマガジン)
※写真は男子ダブルス優勝で優勝を果たしたマテ・パビッチ(クロアチア/左)とブルーノ・ソアレス(ブラジル)
NEW YORK, NEW YORK - SEPTEMBER 10: Mate Pavic (L) of Croatia and Bruno Soares (R) of Brazil celebrate winning match point during their Men's Doubles final match against Wesley Koolhof of the Netherlands and Nikola Mektic of Croatia on Day Eleven of the 2020 US Open at the USTA Billie Jean King National Tennis Center on September 10, 2020 in the Queens borough of New York City. (Photo by Al Bello/Getty Images)
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