キリオスがメドベデフにラケットを折らせるほどのトリッキーなプレーを披露 [BNLイタリア国際]

ATPツアー公式戦の「BNLイタリア国際」(ATP1000/イタリア・ローマ/5月12~19日/賞金総額579万1280ユーロ/クレーコート)の男子シングルス1回戦で、ニック・キリオス(オーストラリア)が持ち前の狡猾なテニスをフルに活用し、第12シードのダニール・メドベデフ(ロシア)を6-3 3-6 6-3で倒した。

 今年最初のクレーコートの試合で勝利を飾ったキリオスは、サービスエースを炸裂させ、思いのままにパッシングを放ち、笑顔に満ちていた。

 アンダーサーブで試合を始めたキリオスは、まったく警戒していなかったメドベデフの意表を突くことで、この試合の流れを決定づけた。それ以外にも多くのドロップショットを繰り出し、またポイントにつながった股下ショットも披露した。

「彼が自分のリズムに乗ってプレーするのが好きだと知っていたから、自分のテニスをさせないように彼のリズムを乱そうと努めていたんだ。彼は素晴らしいプレーヤーだよ」とキリオスは振り返った。

「今日はすごく楽しかった。観客も大いに楽しんでくれたと思うよ。コートに出て行って、ちょっぴりショーを見せるというのはすごく重要なことだ」

 メドベデフは第1セット終了後に背中下部にマッサージを受けてから、よりよいプレーをし始めた。しかし、第3セットではキリオスの多彩なショットに対して対応しきれず、フラストレーションからラケットを地面に叩き付けた。

 4本のサービスエースを決めたキリオスは、ラブゲームで最終ゲームを締めくくった。彼はこの日、総じて15本のサービスエースを記録した。

 一方、ジョアン・ソウザ(ポルトガル)は4つのマッチポイントを凌いだ末にフランシス・ティアフォー(アメリカ)に6-3 6-7(3) 7-6(4)で競り勝ち、第3シードのロジャー・フェデラー(スイス)と対戦する権利を手に入れた。

 フェデラーはフレンチ・オープン前により試合をこなしたいという理由から、ローマでプレーするという遅めの決断を下していた。

 ローマの住人でワイルドカード(主催者推薦枠)で出場したマッテオ・ベレッティーニ(イタリア)はセンターコートでサッカーの試合のように騒々しい雰囲気の中、2017年優勝者で第4シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)を7-5 7-5で倒して16強入りを決めた。

 その試合のほかに2回戦は3試合行われ、第11シードのカレン・ハチャノフ(ロシア)がロベルト・バウティスタ アグート(スペイン)に5-7 6-4 6-2で、第13シードのボルナ・チョリッチ(クロアチア)が予選勝者のキャメロン・ノリー(イギリス)を6-2 6-2で、第14シードのニコラス・バシラシビリ(ジョージア)はラスロ・ジェレ(セルビア)を7-5 6-4で破り、それぞれ3回戦に進んだ。

 また、ダビド・ゴファン(ベルギー)はこのところ復調ぶりを見せていたスタン・ワウリンカ(スイス)に4-6 6-0 6-2で挽回勝ちした。

 そのほか、第9シードのマリン・チリッチ(クロアチア)、ディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)、ジェレミー・シャルディ(フランス)、ラドゥ・アルボット(モルドバ)、ヤン レナード・ストルフ(ドイツ)、予選勝者のテイラー・フリッツ(アメリカ)が2回戦に駒を進めた。

 予選を勝ち上がった日本の西岡良仁(ミキハウス)は、シュワルツマンに1-6 4-6で敗れた。ギド・ペラ(アルゼンチン)を6-3 6-4で下したフリッツは、2回戦で第6シードの錦織圭(日清食品)と対戦する。(C)AP(テニスマガジン)

※写真はニック・キリオス(オーストラリア)
ROME, ITALY - MAY 14: Nick Kyrgios of Australia plays a forehand against Daniil Medvedev of Russia in their first round match during day three of the International BNL d'Italia at Foro Italico on May 14, 2019 in Rome, Italy. (Photo by Clive Brunskill/Getty Images)

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