フォニーニが子供時代の夢を実現し、マスターズ初優勝 [ロレックス・モンテカルロ・マスターズ]
ATPツアー公式戦の「ロレックス・モンテカルロ・マスターズ」(ATP1000/モナコ・モンテカルロ/4月14~21日/賞金総額558万5030ユーロ/クレーコート)のシングルス決勝で、第13シードのファビオ・フォニーニ(イタリア)がドゥサン・ラヨビッチ(セルビア)を6-3 6-4で破り、そのアップダウンの激しいキャリアで最大のタイトルを獲得した。それも若い頃、大きな夢を胸に練習したことのあったコートの上で。
地中海沿いにモンテカルロからイタリア国境を越えて40分ほど車で行ったところにある近隣のサンレモ出身のフォニーニは、31歳にしてここまでで最高のレベルでブレークを果たした。
一方、ラヨビッチは28歳にしてキャリア初の決勝に敗れた。
それはフォニーニにとってキャリア9つ目のタイトルだったとはいえ、マスターズ・レベルでは初のものであり、またそれは彼をトップ10に近づける勝利でもあった。月曜日発表される最新ランキングで彼は階段を6段上り、世界12位に浮上することになる。
「僕はサンレモで生まれた。そして若いとき、ここで練習していたんだ。このテニスクラブのことをすごくよく知っているんだよ」とフォニーニは語った。
「僕の友達と家族は、今ハッピーだ。僕がこの大会に自分の名を刻んだのだからね。それが、僕がまだごく若かったときに夢見ていたことだった」
フォニーニの今年最初のタイトルは、前年度優勝者のラファエル・ナダル(スペイン)をストレートで破り、モンテカルロ・カントリー・クラブでナダルを倒した2015年のノバク・ジョコビッチ(セルビア)以来の選手となった日の翌日にもたらされた。
「本当に素晴らしい1週間だった。僕は努力し続けるよ」とフォニーニは大会を振り返った。
「僕は今季悪いスタートを切ったから、これは信じられないようなことだ」
オーストラリアン・オープンの3回戦で敗退したあと、フォニーニは1勝6敗の戦績で今大会を迎えていた。どうにかして彼はその状況を好転させたが、それはひどく骨の折れることだったようだ
「僕はすごく疲れている。でも、ずっと僕のキャリアの目標だった大きな大会で優勝することができたから、本当にすごく幸せだ」と彼はコメントした。
「僕らは今、マスターズ・シリーズの話をしているのであり、次のものはグランドスラムだ。だから僕にとって2番目に重要なものとなる」
フォニーニのキャリアには、多くの卓越した才能のきらめきがあった。彼のぴしゃりと打たれるレーザービームのようなフォアハンドは、驚くべきスピードでダウン・ザ・ラインに飛び、彼のバックハンドクロスはそれに負けず劣らず危険だったが、また多くの癇癪の爆発もあった。
そのキャリアにおいて、ナダルを3度クレーコートで、またUSオープンで2セットダウンから倒した選手であれば、何か正しいことをやっているに違いない。しかしフォニーニの上には、いつも疑問符が漂っていた。
その彼がついにマスターズのタイトルを獲ったことは、彼の自己不信を取り除く助けとなるもしれない。
「彼は間違いなく、トップ10となるためのテニスを擁している」とラヨビッチは言った。
「僕らは皆、テニスはただテニスだけではないのだと知っている。それはほとんどの場合、メンタルなんだ。だから、彼次第なんだよ」
世界ランク48位のラヨビッチがキャリア初の決勝に進出したことは、予想外の出来事だった。しかしノーシードの彼は、この日は驚きをもたらすことができず、風のある、湿った曇り空の下、稀にしか相手を脅かすことができていなかった。
第2セット第5ゲームのあとに、フォニーニは右足と腿に治療を受けるためメディカル・タイムアウトをとる必要があった。しかしそれも、彼が最後のゲームでサービスに入り、2度目のマッチポイントで勝利をつかむことを妨げはしなかったのだ。最後のポイントは、ラヨビッチのフォアハンドリターンのサイドアウトだった
ラヨビッチは礼儀正しく、自分が圧倒されたことを認めていた。
「ポイントを取るために、僕は彼よりもずっとハードに働かなければならなかった。これがカギだった」とラヨビッチは振り返った。
「僕がアグレッシブにいったときには、彼をプレッシャー下に置くことができ、ポイントが取れた。しかし、ときどき僕のテニスは調子がくるい、多くのアンフォーストエラーをおかしてしまった」
フォニーニは、最多記録となる11勝を挙げているナダルが最初のタイトルを獲った2005年以降に、今大会で優勝した4人目の選手となった。ジョコビッチが2回、スタン・ワウリンカ(スイス)も1回優勝している。フォニーニ以前に今大会で優勝したイタリア人は、1968年のニコラ・ピエトランジェリだった。
フレンチ・オープンで2度優勝した85歳のピエトランジェリは、フォニーニが優勝を決め、膝を落として地面にキスをしたとき、立ち上がって拍手を送っていた。ピエトランジェリはコートの上を慎重に歩き、トロフィを掲げている彼の横でポーズをとった。
試合の出だしは拮抗していたが、フォニーニがラヨビッチのフォアハンドのミスにより先にブレークして、4-2とリードを奪った。それから彼は、彼らしい華やかな片手打ちのバックハンドクロスで自分のサービスをキープした。
そして、それをキープすればセット奪取というゲームで、フォニーニはブレークポイントをフォアハンドのダウン・ザ・ラインのウィナーでセーブし、同様にいいバックハンドでそのゲームを取った。
第2セットでもフォニーニは、先にブレークして3-2とリードを奪った。前述のメディカルタイムアウトのあと、ラヨビッチは次のゲームの30-30から簡単なスマッシュをミスした。そしてそのミスで、彼のわずかな希望の火は消えてしまったのだった。
ダブルス決勝も行われ、第7シードのニコラ・メクティッチ/フランコ・シュクゴール(ともにクロアチア)がロビン・ハッサ/ヴェスレイ・クールホフ(ともにオランダ)を6-7(3) 7-6(3) [11-9]で倒して大会を制した。(C)AP(テニスマガジン)
※トップ写真はファビオ・フォニーニ(イタリア)
Fabio Fognini of Italy during the 2019 Monte Carlo Rolex Masters 1000, day one, on April 21, 2019 in Monaco, Monaco. (Photo by Pascal Della Zuana/Icon Sport via Getty Images)
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