元女王クライシュテルスはグランドスラム復帰戦を飾れず「これは過程にすぎない」 [USオープン]
今年ふたつ目となるグランドスラム「USオープン」(アメリカ・ニューヨーク/本戦8月31日~9月13日/ハードコート)の大会2日目は、ボトムハーフの男女シングルス1回戦が行われた。
ニューヨークでカムバックを図ったキム・クライシュテルス(ベルギー)は、1回戦負けに甘んじた。第21シードのエカテリーナ・アレクサンドロワ(ロシア)が火曜日の夜、クライシュテルスを3-6 7-5 6-1で倒したのだ。過去3度栄冠に輝いた元チャンピオンは第1セットを先取したが、リードを維持することが出来なかった。
これはクライシュテルスにとって、USオープン後に引退した2012年以来のグランドスラム大会だった。今や37歳となった三児の母ですでに国際テニス名誉の殿堂入りしている彼女は今年からキャリアを再開することを決めたが、ここまでのところ3戦全敗だ。
「これは過程なのよ」と彼女は語った。「それがこのチャレンジに乗り出したとき、最初に私が自分に言い聞かせたことだったの。カムバックは簡単ではなく、多くのハードワークと敗戦が必要だろうとわかっていたわ」。
USオープンのために厳しい練習を積んだクライシュテルスは、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックが原因でスタンドにファンがいなかったとしてもプレーできることにわくわくしていた。復帰したものの彼女は故障に苦しめられ、ごく最近にも腹筋を痛めていた。そしてその問題が、サービスのスピードダウンが顕著となった最終セットで問題となっているように見えた。
しかしクライシュテルスは気分は悪くなく、唯一の問題は老練なプレーを見せた世界ランク29位のアレクサンドロワだったと説明した。
「彼女は試合序盤より、ずっといいサービスを打ち始めたと私は感じた」とクライシュテルスは振り返った。「第3セットになると、彼女はボールがよく見えているようで終始ターゲットにボールを打ち込んできたたわ」。
彼女がここでタイトルを獲った年(2005年、06~10年)に比べ、雰囲気は大きく違っていた。クライシュテルスはそれ以外でも2011年オーストラリアン・オープンで優勝しており、20週間に渡って世界ナンバーワンの座に就いていた。
クライシュテルスが第2セットを落としたとき、あるいは終盤に力を失っていったとき、励ましの声援を送るファンはいなかった。この試合で彼女は15本のブレークポイントを握ったが、そのうちの3つしかものにできなかった。
敗れはしたがクライシュテルスは、テニスの質に関してある程度の手応えを感じていた。彼女は試合の早い段階ではベースラインから試合を支配し、ネットでも効果的にプレーしていた。彼女はこの試合を、今年ここまでで自分のベストマッチだったと評価した。
「それがもっともポジティブなことよ。(人は年を重ねると)恐らく10年前より、例え負け試合であっても成熟した見方をすることができるようになるものなの」と言って彼女はこの先を見据えた。(APライター◎スティーブン・ワイン/構成◎テニスマガジン)
※写真はキム・クライシュテルス(ベルギー)
NEW YORK, NEW YORK - SEPTEMBER 01: Kim Clijsters of Belgium reacts to a lost point during her Women's Singles first round match against Ekaterina Alexandrova of Russia on Day Two of the 2020 US Open at the USTA Billie Jean King National Tennis Center on September 1, 2020 in the Queens borough of New York City. (Photo by Matthew Stockman/Getty Images)
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