21歳オペルカがキャリア初優勝、敗れたシュナーは悔し涙 [ニューヨーク・オープン]

「ニューヨーク・オープン」(ATP250/アメリカ・ニューヨーク/2月11~17日/賞金総額77万7385ドル/室内ハードコート)のシングルス決勝で、21歳のライリー・オペルカ(アメリカ)が予選を勝ち上がった23歳のブレイデン・シュナー(カナダ)に競り勝ち、ATPツアーで初のタイトルを獲得した。

 オペルカは今週、繰り返し困難から抜け出たが、今回はビッグサーブだけで自分を救うことはできなかった。テクノロジーが、まずそれをやったのだ。

 一時はシュナーがマッチポイントをつかんだかに見えていたが、ホークアイ(自動ライン判定装置)がそれを覆した。そのすぐあとにオペルカは43本目のサービスエースを決め、6-1 6-7(7) 7-6(7)の勝利を決めた。

「試合を通して、僕は自分をいいポジションに置くことができていた。第3セットのタイブレークは、どちらに転んでもおかしくなかった」とオペルカは振り返った。

「正直に言って、あの(審判のコールに対する)チャレンジが、たぶん違いを生んだんだ」

 6つのマッチポイントを凌いで第1シードのジョン・イズナー(アメリカ)を倒した準決勝の翌日、オペルカは初の決勝進出者同士の対決でシュナーにとどめを刺すのに、今度は自分が6つのマッチポイントを必要とした。

 身長211cmのオペルカは2試合連続で43本のサービスエースを記録し、1991年にツアーがサービスエースの回数を記録し始めて以来、ベスト・オブ・3セットマッチにおいて2試合連続で40本以上のサービスエースを決めた初のプレーヤーとなった。

 しかし、ラケットを手にした彼と同様の影響力で、試合のターニングポイントは、彼がコールへのチャレンジの合図をするため、ただ手を上げたときにやってきた。

 シュナーはタイブレーク7-7のときに、最初のマッチポイントをもたらしていたはずのサービスエースに見えるものを打ち込んだばかりのところだった。しかしコート上方に掲げられたスクリーン上でのレビューは、ボールがわずかにラインを割っていることを示していたのだった。

 サービスを打つ前にボールを地面にバウンドさせない希少な選手である身長193cmのシュナーは、それからセカンドサービスをネットにかけてダブルフォールトをおかした。これで逆にマッチポイントを握ったオペルカは、そのすぐあとに今大会で挙げた156本目のサービスエースを叩き込み、試合を終わらせたのだった。

「ふさわしくない瞬間に、堅くなってしまった」とシュナーは試合後に語った。

 ニューヨークにやって来るまで一度もツアーレベルの大会に勝ったことがなく、予選を勝ち上がって本戦入りしていたシュナーは、わずか18分のうちに吹き飛ばされた第1セットのあと、もう少しで素晴らしい挽回劇をやってのけるところだった。

 オペルカは、このナッソー・メモリアル・スタジアムの黒いテニスコートで、最初の2試合に勝つのに、第2セットでのタイブレークを勝ち抜かなければならなかった。彼は、ふたりで合わせて81本のサービスエースを記録したイズナーに対する準決勝でも、ふたたびそれをやってのけた。この81本は、3セットマッチでは史上最多のエース数だ。

 日曜日、ことはより容易であるように見えていた。試合前のトスに勝ったシュナーは、オペルカに先にサービスを打たせることを選択。最初の2ポイントを取ったが、それからそのセットでのオペルカのサービスゲームでは、あと1ポイントを取ることができたにすぎなかった。

 オペルカは簡単に取ったこのセットで、相手の9ポイントに対して25ポイントを取り、サービスエースの数ではシュナーの0本に対して9本と大きくリードしていた。

 よりタフな戦いとなった第2セットの終わりにも、オペルカはタイブレークで2つのマッチポイントを手にした。しかし準決勝では一度しかダブルフォールトをおかさなかった彼が、2つ目のマッチポイントでそれをおかし、シュナーは勝負の行方を最終セットに持ち込んだ。

 先週、ダラスでのよりグレードの低い大会でプレーしたあと、風邪に悩まされていた元大学チャンピオンのシュナーにとって、ニューヨークで戦えるかさえが定かではなかったのだという。補欠から予選出場が可能となった彼は、それまでツアーレベルの大会では0勝5敗だったにも関わらず、予選を勝ち上がって本戦入りし、最終的に決勝まで勝ち進んだ。

 彼は決勝への道のりで、第3シードのスティーブ・ジョンソン(アメリカ)と第6シードのサム・クエリー(アメリカ)に対して番狂わせを演じたが、今週を勝利で終わらせることはできず、表彰式では涙と戦うことになった。

「もちろん、ダラスからやって来たとき、僕はここでプレーできるかどうかさえわからないでいた。気分がすぐれず疲れていたのだが、最終的にここに来て、ATPツアーの決勝に至ったということは、大きな驚きだった」とシュナーはコメントした。

「信じられないほど素晴らしい1週間だった。僕はランキングで新しいレベルに上昇し、これで物事は変わってくるだろう。でも言うまでもなく、今日のような形で負けるというのは、ただただ、ひどい気分がするものだ」(C)AP(テニスマガジン)

※写真はライリー・オペルカ(アメリカ)、1月シドニーで撮影
SYDNEY, AUSTRALIA - JANUARY 09: Reilly Opelka (USA) serves at The Sydney International Tennis on January 09, 2018, at Sydney Olympic Park Tennis Centre in Homebush, Australia. (Photo by Speed Media/Icon Sportswire via Getty Images)

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