ナダルがチチパスを倒し、5度目の決勝へ [オーストラリアン・オープン]
「オーストラリアン・オープン」(オーストラリア・メルボルン/1月14~27日/ハードコート)の大会11日目、男子シングルス準決勝。
今大会においてラファエル・ナダル(スペイン)は間違いなく、次世代の若手選手たちにやさしくない。
ナダルはメルボルンパークで5度目、全グランドスラム大会で25回目の決勝進出を果たす過程で、20歳のステファノス・チチパス(ギリシャ)を、ここで容赦なく葬り去った若手たちのリストに追加した。
ナダルは、大会2連覇中だったロジャー・フェデラー(スイス)を倒した若者が今夜同じ殊勲を繰り返すことはないということを、チチパス本人と、ほかの皆に見せるために1時間46分を必要とした。自分を倒すどころか、脅かすことすらできないということを。
第1セット第3ゲームでチチパスのサービスをブレークし、それからさらに5度ブレークを果たした第2シードのナダルは、自らは最後のゲームまで一度もブレークポイントに直面せず、6-2 6-4 6-0で圧勝した。
「まったく次元の違うテニスだと感じた」と第14シードのチチパスは呆然とした表情で振り返った。
「彼はリズムを与えてくれない。ほかのどんなプレーヤーも持っていない才能だ。こんな能力を持った選手はこれまで一度も見たことはなかった。彼は、相手に悪いプレーをさせるんだ」
3回戦で19歳のアレックス・デミノー(オーストラリア)と対戦したときにも、準々決勝で21歳のフランシス・ティアフォー(アメリカ)を倒したときにも、ナダルは彼らに同様の一方的なストレートセットの勝利をつきつけた。
新進気鋭の若手たちを激しく叩きのめしたその勝ち方で、声明を発しようとしているのかと聞かれたナダルは、こう答えた。
「いいや、彼らにはどんなメッセージも必要ない。彼らはよいプレーヤーだ。毎月上達している。だから彼らと対戦することは、常に大きなチャレンジだ」
間違いなく、そんなふうには見えなかった。
その始まったばかりのキャリアにおけるチチパスの初のグランドスラム準決勝への進撃は、彼が4回戦で、どのようにしてグランドスラム優勝歴20回のフェデラーを倒したかで、より注目を集めた。チチパスはその3時間45分の戦いを通し、フェデラーに与えた12のブレークポイントのすべてをセーブしたのである。
しかし左利きのナダルは、解くのがずっと難しいパズルだった。
日曜日に32歳のナダルは、グランドスラムで18勝目となる2度目のオーストラリアン・オープン・タイトル獲得に挑むことになる。彼は2009年に一度だけ、メルボルンパークで優勝していた。
決勝の相手は、金曜日に予定されている第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)と第28シードのルカ・プイユ(フランス)の対戦の勝者となる。
もし優勝すれば、ナダルはテニスの歴史上、すべてのグランドスラム大会で最低でも2度ずつ優勝を遂げた3人目の男となる。これまでにそれをやってのけたのは、自分の名前が付いたそのアリーナの観客席の前列でこの木曜日の試合を観ていたロッド・レーバー(オーストラリア)、そしてロイ・エマーソン(オーストラリア)だけだ。
一連の健康の問題のあと、ナダルはふたたび、誰をも圧倒する無慈悲なフォアハンドを叩き込む男となった。
彼は1年前、右脚の問題のためにメルボルンパークでの準々決勝の試合を途中棄権した。それから9月のUSオープン決勝でも、右膝の痛みのために準決勝での途中棄権を強いられた。そしてそれに、オフシーズンの右足首の手術が続いた。
過去に煩わされた腹筋にテーピングを施しているとはいえ、オーストラリアン・オープンでのナダルはプレーした18セットをすべて取り、素晴らしい調子を見せている。
「今日は、本当にがっかりしている」と語ったチチパスは、「相手に試合全体を通して圧倒することを許すのではなく、もう少し自分の力を証明したかった。ただただ、いい感触をつかめなかった」と言い添えた。(C)AP(テニスマガジン)
※写真はラファエル・ナダル(スペイン)
MELBOURNE, AUSTRALIA - JANUARY 24: Rafael Nadal of Spain runs across court in his Men's Semi Final match during day 11 of the 2019 Australian Open at Melbourne Park on January 24, 2019 in Melbourne, Australia. (Photo by Cameron Spencer/Getty Images)
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