女子は中里亜優菜が強打対決を制し、男子は若松泰地がノーシードから優勝 [全国小学生]
「第36回 第一生命 全国小学生テニス選手権大会」(東京都世田谷区・第一生命相娯園グラウンドテニスコート/7月27~30日/クレーコート)が最終日を迎え、男女シングルス準決勝と決勝が行われた。
準決勝はコート1~4で男女の4試合が同時に開始。最初に勝負がついたのは第3コートの中里亜優菜(神奈川/横浜市立平沼)と名雪芹(神奈川/茅ヶ崎市立松林)の“神奈川対決”だった。これまでネットに出て仕留める得意のパターンを武器に勝ち上がってきた名雪は、中里にそのよさを出させてもらえなかった。形を作ってもわずかにボレーが外れるなどポイントが思い通りに奪えず、中里が6-2 6-1で決勝進出一番乗りを決めた。
次に決着がついたのは、第1コートの若松泰地(滋賀/湖南市立石部)と第1シードの前田透空(千葉/流山市立おおたかの森)との試合。開始から若松が前田のバックを攻めて、得意のフォアを封じると、第1セットを6-0で先取。第2セットに入り自分の形で攻められるようになった前田が一時はリードしたが、若松が逆転して6-4とし、決勝に進んだ。
第2コートの浅田紘輔(宮崎/宮崎市立学園木花台)と富田悠太(愛知/名古屋市立砂田橋)はお互いが持ち味を発揮し合う好ゲームとなった。浅田はドロップショットで相手をネットにおびき寄せてパッシングショットで抜くのが得意のパターン。それに対して富田は積極的にネットに出て仕留めるタイプ。どちらも積極的に仕掛け、コースの読み合いからギリギリのコースに決まるスーパーショットを連発した。
第1セットは浅田が競り勝つが、第2セットは富田が6-0で取り返す。最終セットは浅田がワンブレークアップの5-4からサービング・フォー・ザ・マッチ。40-30からのマッチポイントはものにできなかったが、デュースからの2本目でドロップショットを綺麗に決めて、若松との決勝に進んだ。
第4コートの成田百那(愛知/名古屋市立春日野)と津田梨央(愛知/名古屋市立北一社)は、ロングラリーの応酬で第3セットまでもつれたが、機を見て攻める姿勢を失わなかった成田が競り勝った。
この長時間ゲームが終える前に、第1コートで男子決勝がスタート。第1セットは浅田が5-4から若松のサービスゲームをブレークして奪う。第2セットも4-0と引き離し、勝負は決まったかに見えた。だが、「“もうちょっとできるな”と思って頑張った。それまでは全ポイント同じ気持ちでプレーしていたけど、大事なポイントでは“ここをとるぞ”と気を引き締めた」と気持ちの部分で整理のついた若松が、怒涛の6ゲーム連取で逆転。
最終セットはわずかな差だった。ストローク戦になることが多く、若松がショットの強さと正確性でラリーを制し、最終セットも6-4で制してノーシードから優勝を成し遂げた。
第2コートでは女子の決勝も始まっていた。中里、成田はともに強打が武器で、今大会の出場選手の中でもストロークの威力は抜けていた。激しい打ち合いでゲームは始まる。ただし、サービスの強さと多彩さでは中里が上回っており、成田は思うようにサービスが決まらないことで徐々にゲーム差が広がる。第1セットは中里が6-2で制した。
第2セットは成田がブレークされてもすぐにブレークバックで食らいつき、4-4まで進む。ここでギアを上げた中里がラブゲームでブレーク。続くサービスゲームでは40-15からラリーとなり、最後は体を伸ばしきった苦しい体勢でボレーを相手コートに返す。ライン際の際どい位置に落ちたが、成田からアウトのコールが出ないのを確認したレフェリーが、一瞬の静寂の後に「ゲーム・セット・アンド・マッチ」を宣告した。
「お互い攻めるスタイルだけど、攻め急ぎすぎないようにしっかりラリーをしてからチャンスで攻めたのがうまくいった」と勝因を挙げた中里。5月の全国選抜ジュニアでは準優勝で悔しい思いをしており、この大会でのリベンジに燃えていただけに、とびきりの笑顔で勝利を祝った。
(編集部◎池田晋)
※トップ写真は、女子決勝を終えて笑顔で談笑する中里亜優菜(神奈川/横浜市立平沼/写真左)と成田百那(愛知/名古屋市立春日野) 写真◎福地和男
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