ディミトロフ、錦織、ズベレフら、5セットの激戦を制して3回戦進出 [フレンチ・オープン]
フランス・パリで開催されている「フレンチ・オープン」(5月27日~6月10日/クレーコート)の大会4日目、男子シングルス2回戦。
5セットマッチのこの試合で、若いアメリカ人は足にケイレンを起こし、アンダーサービスを打とうと試みた。これは、どこかで見たことがある? ただし、これは1989年フレンチ・オープン・チャンピオンのマイケル・チャン(アメリカ)とは違う。この常軌を逸した作戦は、第4シードのグリゴール・ディミトロフ(ルーマニア)と対戦していたジャレッド・ドナルドソン(アメリカ)が勝利をつかむ手助けにはならなかった。
18番コートで行われたこの試合は、4時間19分をかけて戦われたマラソンマッチとなり、2度にわたりセットを先行されたディミトロフだったが、それを巻き返し、6-7(2) 6-4 4-6 6-4 10-8で21歳のドナルドソンを倒した。
死闘が終わったとき、ディミトロフは前屈みになり、両方の膝にキスをした。おそらく、ドナルドソンの脚が耐えきれなかったときに、よく踏ん張って自分を勝利へと運んでくれた、自らの脚にお礼を言うためだったのだろう。
世界ランク57位のドナルドソンは、第5セットで6-5とリードし、ディミトロフのサービスゲームで0-30と優位に立ったとき、勝利まであと2ポイントというところにいた。しかし、ディミトロフは続く4ポイントを取ってサービスをキープし、6-6と追いついたのだ。
ディミトロフはブレークを果たして8-7とし、次の自分のサービスをキープすれば勝利というところまでこぎつけたが、ここでまたブレークバックされてしまう。
しかし、次のゲームのドナルドソンは、動くどころか立っているのがやっとという様子だった。彼はダブルフォールトをおかし、それからアンダーサービスを試みて――これはこの試合最初ものでさえなかったが――そのポイントを落とした。
ディミトロフは、ウィナーを叩き込んでブレークし、9-8とふたたび優位に立った。ドナルドソンはエンドチェンジのため、足を引きずりながらコートサイドに向かい、その少しあとに、戦いは終わった。
チャンが29年前のフレンチ・オープン4回戦、対イワン・レンドル(アメリカ)戦で、脚にケイレンを起こしている間、アンダーサービスを使った(そして最終的にそのポイントを取った)ことは有名だ。
そのチャンがコーチとしてスタンドから見守る中、彼の教え子である日本の錦織圭(日清食品)は一時、セットカウント1-2とされながらも巻き返して、地元選手のブノワ・ペール(フランス)を6-3 2-6 4-6 6-2 6-3で倒して、フレンチ・オープンで4年連続となる3回戦進出を決めた。
第19シードの錦織はペールを倒すのに、フィリップ・シャトリエ・コートで3時間近くを費やした。
「彼は非常にアグレッシブで、すべてのショットで攻撃してきた」と錦織は言った。
「また、彼はツアーでも最高のボールタッチを持つ選手。彼とプレーするのは楽しくもあるが、同時に厳しい。今日は本当に厳しい試合だった」
第2シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)は、1セットダウンのワンブレークダウン、さらにラケットまで叩き折っていたが、そこから巻き返して60位のドゥサン・ラヨビッチ(セルビア)を 2-6 7-5 4-6 6-1 6-2で下し、やはり苦労の末に3回戦に駒を進めた。2年前にも3回戦に至っていたズベレフにとって、これはロラン・ギャロスでのここまでの最良成績と並ぶものだ。
4回戦に進むには、21歳のズベレフはグランドスラム大会でまだ一度もできていない、あることをやってのける必要がある。それは、トップ50位内の選手を破ることだ。ズベレフの次の相手は、第26シードのダミアー・ジュムホール(ボスニア・ヘルツェゴビナ)である。ATPツアーでは何度もトップ10の選手を破り、マスターズ・レベルで優勝もしているズベレフだが、グランドスラム大会ではなぜか、まだ勝ち上がることができていない。
ちなみにラヨビッチが5セットマッチで敗れたのは、これで8対戦連続となる。
第7シードのドミニク・ティーム(オーストリア)と急成長中のティーンエイジャー、ステファノス・チチパス(ギリシャ)の対戦は、日没のため、ティームの6-2 2-6 6-4リードとなったところで翌日に順延となった。フレンチ・オープンで2度準決勝に進出しているティームは、今季クレーコート上でラファエル・ナダル(スペイン)を倒した唯一のプレーヤーだ。(C)AP(テニスマガジン)
※写真はアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)(撮影◎毛受亮介)
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