錦織が3大会ぶりのグランドスラムをプレー「2週目まで勝ち残れるよう願っている」 [フレンチ・オープン]
錦織圭(日清食品)は健康な体を取り戻し、フレンチ・オープンでグランドスラム大会でのプレーに戻る準備万端となった。彼は全仏に関し、ここ数年の成績を鑑みれば謙虚と言える目標を持っている。
「2週目まで勝ち残れるよう願っている」と錦織は言ったのだ。
ここまでにところ、グランドスラム大会に出るたびに、彼はほぼ必ずそうすることができていた。今回のロラン・ギャロスで第19シードとなっている28歳の錦織は、日曜日にワイルドカード(主催者推薦枠)のマキシム・ジャンビエ(フランス)と対戦することになる。
ジャンビエが一度もツアーレベルでプレーしたことがなく、228位以上に登ったことがない一方で、錦織はテニスの上層階級に慣れている。
彼は世界4位にまで至ったことがあり、2014年USオープンで準優勝し、その2年後にはやはりニューヨークで準決勝に至った。そしてここ3年で、2度の全仏を含めた他のグランドスラム大会で5度に渡って準々決勝に進出していた。
しかし21度連続でグランドスラム大会に出場したあと、彼は昨年の全米、そして今年初頭のオーストラリアン・オープンと、2大会連続でグランドスラム大会を欠場した。理由は、右手首が腱の裂傷から完全に回復していなかったためだった。
パリに先立ち多くのクレーコートでの試合をこなすことは優先事項となり、錦織はまさにその通りのことを実践した。彼は、最終的にラファエル・ナダル(スペイン)に敗れたものの、モンテカルロ・マスターズで決勝に進出し、イタリア国際では準々決勝でノバク・ジョコビッチ(セルビア)に敗れた。
この2大会の過程で錦織は、アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)、マリン・チリッチ(クロアチア)、グリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)ら、世界ランク5位内の選手たちを下している。
「特にこれらの選手たちを下したあとだけに、大きな自信を感じている」と錦織は言った。
今回のチャレンジは、ベスト・オブ3セットマッチではなく、ベスト・オブ5セットマッチで勝つ必要があるということだ。彼はもうかなりの間、ベスト・オブ5セットで行われる試合を戦っていない。
カギは何か?
「コート上でなるべく迅速に試合を終わらせ、試合をするたびに過剰なエネルギーを使ってしまわないようにすることだ」と錦織は言う。
「クレーコート上では、ヘビーに、そして賢くプレーしなければならない。ただアグレッシブにプレーするだけではダメなんだ。本当に、聡明にプレーする必要がある」
彼のコーチで、1989年全仏チャンピオンであるマイケル・チャン(アメリカ)は、早いラウンドを迅速に、そして比較的簡単に勝ちつつ通り抜けることが、錦織がドローで長く勝ち残るために極めて重要になるだろう、と言った。
そしてやはりチャンによれば、集中し続ける、ということもまた重要だ。
「それは、彼のテニスを向上させ続けるということと、本当に重要なときにメンタル的により強くある、ということのコンビネーションなんだ。それが必要なんだよ」とチャンは言った。
「ビッグな試合、ビッグな瞬間には、自分のサービスで締まらないゲームをするような贅沢は許されない。そんな真似は、絶対にできないんだ。そんな隙をちょっとでも見せれば、相手はそこに付け込んでくる。自分より少しランキングが低い選手なら、何とか切り抜けることもできるかもしれない。でも自分より上位の選手と戦っているときには、それでうまく逃げおおせることなどできないんだよ」(C)AP(テニスマガジン)
※写真は会場で練習中の錦織圭(日清食品)とコーチのマイケル・チャン(アメリカ)
撮影◎毛受亮介/テニスマガジン
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