スペイン・バルセロナで開催された「バルセロナ・オープン・バンコサバデル」（ATP500／4月23～29日／賞金総額279万4220ユーロ／クレーコート）のシングルス決勝で、第1シードのラファエル・ナダル（スペイン）が19歳のステファノス・チチパス（ギリシャ）を6-2 6-1で倒すことにより、このサーフェスでの覇権を延長した。

　ナダルはクレーコート上で勝つことを、非常で簡単であるように見せ続けている。

　先週のモンテカルロでやはり11度目のタイトル獲得を果たしたナダルは、クレーコートでの19連勝目を刻むにあたり、一度も真剣に力を試されることはなかった。

　世界1位のナダルは、クレーコート上で連続46セットを取り、自らの記録を更新した。彼は昨年のローマでドミニク・ティーム（オーストリア）に敗れてから、一度もクレーで負けていない。

「1大会でどうやって11度優勝するのかを説明するのは難しい」とナダルは言った。

「モンテカルロのタイトルを11度、バルセロナで11度勝ち獲るというのは、想像もしていなかったことだった。僕はただ毎週を楽しんでいるし、自分が大いに楽しんでいるという事実が、僕にはすごく重要なんだ」

　これはナダルにとってキャリア77勝目となるタイトルであり、これはオープン化以降の時代で4位となるジョン・マッケンロー（アメリカ）とのタイ記録だ。彼の前にいるのは、109勝のジミー・コナーズ（アメリカ）、97勝のロジャー・フェデラー（スイス）、94勝のイワン・レンドル（アメリカ）だけである。

　日曜日の準決勝で、クレーコートでの400勝目を記録したナダルは、世界1位の座をキープするために、バルセロナで優勝する必要があった。

「誰にとっても、ここでプレーするときに僕が抱くフィーリングや感情のすべてを想像するのは難しいだろう」とナダルは言う。

「これから先何年も、ここに戻ってき続けることができるよう願っている」

　勝利を決めたあと、ナダルはボールボーイやボールガールたちとともに、会場のクラブハウスにあるプールに飛び込んだ。これは、優勝者が毎年やっている儀式なのだ。

　ナダルはオーストラリアン・オープン準々決勝で被った執拗な右腰の故障のため、今年の序盤にプレーすることができないでいた。彼はデビスカップ準々決勝でスペインがドイツを倒すのを助けるためにコートに戻り、それから、モンテカルロ・オープンに臨んで優勝した。

「僕は素晴らしい2週間を送ったけれど、故障のため、難しい時期から抜け出したばかりのところなんだ」とナダルは言った。

　世界63位のチチパスは、ATPツアーで優勝した初のギリシャ人となることを目指していた。なおツアーでの決勝進出者としては、1973年のニコラス・カロゲロポウロス（ギリシャ）以来の選手となる。

「ここで優勝するチャンスはわずかだと知っていたけれど、僕の自信は試合ごとに膨らんでいった。僕は今日、よりよいものを期待していたとはいえ、まずラファにおめでとうと言いたい」とチチパスは言った。

「これは僕にとって初めての経験であり、想像していたよりも厳しかった。僕は彼のプレーを何万回となくテレビで観たが、現実に彼と対戦するのは、より難しかった」

　2005年以降のバルセロナ・オープンでは最年少の決勝進出者となったチチパスは、2002年のガストン・ガウディオ（アルゼンチン）以来のノーシードからのチャンピオンとなることを目指していた。

　雨による短い中断のあったわずか77分の対ナダル戦の間に、チチパスは23本のアンフォーストエラーを犯した。

　チチパスはバルセロナでのパフォーマンスのあと、月曜日の新ランキングで、44位に上がる見込みとなっている。

　ダブルス決勝も行われ、フェリシアーノ・ロペス／マルク・ロペス（ともにスペイン）がイサムウルハク・クレシー（パキスタン）／ジャン ジュリアン・ロジェ（オランダ）を7-6(5) 6-4で破り、優勝を飾った。(C)AP（テニスマガジン）

※トップ写真は表彰式でのラファエル・ナダル（スペイン／右）とステファノス・チチパス（ギリシャ／左）
BARCELONA, SPAIN - APRIL 29: Winner Rafael Nadal (R) of Spain and Stefanos Tsitsipas (L) of Greece celebrate their results after their final match during day seven of the Barcelona Open Banc Sabadell on April 29, 2018 in Barcelona, Spain. (Photo by Alex Caparros/Getty Images)