ジョコビッチはティームに敗退も復調の兆し「やはり実戦経験が足りない」 [ロレックス・モンテカルロ・マスターズ]
モナコ・モンテカルロで開催されている「ロレックス・モンテカルロ・マスターズ」(ATP1000/4月15~22日/賞金総額523万8735ドル/クレーコート)において、前回王者のラファエル・ナダル(スペイン)は最多優勝記録を伸ばそうと順調に勝ち進んでいるが、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)がそこに立ちはだかることはなくなった。
世界ランク1位のナダルは、金曜日にカレン・ハチャノフ(ロシア)との試合で最後のポイントをスマッシュで決めて6-3 6-2で下し、準々決勝進出を決めた。第1セットの第7ゲームをブレークされるなど少しもたついたが、すぐにブレークバックすると、その後は完全に試合を支配した。
優勝10回を誇る王者ナダルが次に対戦するのは、第5シードのドミニク・ティーム(オーストリア)となる。ティームは3回戦で、第9シードのジョコビッチを6-7(2) 6-2 6-3で退けた。
「ティームはどのサーフェスでも素晴らしいプレーを見せるが、特にクレーコートでのパフォーマンスが秀でている。彼はパワーがあり、コントロールするのが難しい相手なので、よいポジションで打たせないようにすることが大事だ」とナダルは警戒する。
昨年のローマの準々決勝を含め、クレーコートでナダルを2度倒したことがあるティームは言う。
「一度クレーで倒したことがあるという事実は、大きな自信になる。でも、彼との対戦は究極のチャレンジになるので、自分のレベルをひとつ上に上げないといけない」
ナダルにとって、ジョコビッチは因縁のある相手だ。2013年の決勝でナダルの連勝記録を46でストップささせ、2015年にも大会を制している。しかし、グランドスラム12度の優勝を誇るジョコビッチも、今は自分のトップフォームと自信を取り戻そうともがいている。
ボルナ・チョリッチ(クロアチア)との2回戦は10度のマッチポイントを経てようやく勝利をおさめたが、翌日のティーム戦はマッチポイントに近づくこともできなかった。2年間苦しめられてきた右肘の痛みからは解放されたというが、この試合ではティームに押されっぱなしだった。
第1セットでジョコビッチはセットポイントを3度しのぎ、タイブレークに持ち込んでセットを先取。しかし、その後はバックハンドのミスが目立ち、連続でブレークを許して第2セットを落とした。
長い間痛みに苦しめられてきたジョコビッチは、再発することなく連続で3試合戦えたことに一定の満足感を得ているようだ。
「大事なのは、痛みを感じずにプレーできたこと。右肘の現在の状態にはとても満足している」
今後、さらにパフォーマンスを上げなければならないが、翌週はバルセロナかブダペストの大会に出場すると明言した。
「やはり実戦経験が足りていない。チャンスがある限り、多くの大会を戦いたい。その後はマドリッドとローマに行く予定だ。フレンチ・オープンには、自分のピークをもっていきたいんだ」
第3シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)はヤン レナード・ストルフ(ドイツ)を6-4 4-6 6-4で倒したが、兄のミーシャ・ズベレフ(ドイツ)がリシャール・ガスケ(フランス)に2-6 5-7で敗れたため、兄弟対決は実現しなかった。
第2シードのマリン・チリッチ(クロアチア)は、対戦相手のミロシュ・ラオニッチ(カナダ)が棄権したため、ボールを打つことなく勝ち進んだ。次に対戦するのは、アンドレアス・セッピ(イタリア)を6-0 2-6 6-3で倒した日本の錦織圭(日清食品)になる。
ラオニッチは2回戦で右膝を痛めたようだ。
「2回戦の途中で右膝を捻った。少し治療すればよくなると思ったんだが……。耐えられる痛みではなかった。数日経てばよくなるとは思う」
第6シードのダビド・ゴファン(ベルギー)はロベルト・バウティスタ アグート(スペイン)に6-4 7-5で勝利。その試合でバウティスタ アグートはサービスゲームを落として1-4とされ、ボールを逆のコートへ山なりのボールを打ったとき、それがボールボーイの頭を直撃。すぐに謝罪の意を表して手を挙げたが、アンパイアからは警告を受け、反スポーツマンシップ行為で2500ユーロ(約33万円)の罰金を科された。
昨年ベスト4のゴファンは準々決勝で、フィリップ・コールシュライバー(ドイツ)を4-6 6-3 6-4で倒した第4シードのグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)と対戦する。(C)AP(テニスマガジン)
※写真はノバク・ジョコビッチ(セルビア)
MONTE-CARLO, MONACO - APRIL 19: Novak Djokovic of Serbia in action against Dominic Thiem of Austria during his men's singles match on day five of the Rolex Monte-Carlo Masters at Monte-Carlo Sporting Club on April 19, 2018 in Monte-Carlo, Monaco. (Photo by Julian Finney/Getty Images)
Pick up
-
2024-12-12
サービス第二弾!テニス丸ごと一冊サービス [技術の修正](堀内昌一 著)12月25日(水) 書籍&電子書籍同時発売
テニス丸ごと一冊サービス [技術の修正](堀内昌一 著)20
-
2024-12-12
テニスマガジン今後の予定(部活および新刊情報)
CHECK1テニスマガジンONLINEテニス界の最新情報を毎
-
2024-10-08
テニス丸ごと一冊サービス[増補版] QRコード(動画)付(堀内昌一 著)書籍&電子書籍
「テニスマガジン」のサービス特集をきっかけに、MOOK「テニ
-
2024-05-03
『テニスフィジバト道場』(横山正吾 著)テニスプレーヤーのための最新フィジカルトレーニング
Tennis Magazine extraシリーズテニスプレ
-
2024-02-05
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(荒木尚子/著)
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(
-
2023-04-03
『テニスの心理学~“心”技体を鍛えてメンタルタフになれ!』(佐藤雅幸著)
Tennis Magazine extraシリーズの最新刊『
Pick up
-
2024-12-12
サービス第二弾!テニス丸ごと一冊サービス [技術の修正](堀内昌一 著)12月25日(水) 書籍&電子書籍同時発売
テニス丸ごと一冊サービス [技術の修正](堀内昌一 著)20
-
2024-12-12
テニスマガジン今後の予定(部活および新刊情報)
CHECK1テニスマガジンONLINEテニス界の最新情報を毎
-
2024-10-08
テニス丸ごと一冊サービス[増補版] QRコード(動画)付(堀内昌一 著)書籍&電子書籍
「テニスマガジン」のサービス特集をきっかけに、MOOK「テニ
-
2024-05-03
『テニスフィジバト道場』(横山正吾 著)テニスプレーヤーのための最新フィジカルトレーニング
Tennis Magazine extraシリーズテニスプレ
-
2024-02-05
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(荒木尚子/著)
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(
-
2023-04-03
『テニスの心理学~“心”技体を鍛えてメンタルタフになれ!』(佐藤雅幸著)
Tennis Magazine extraシリーズの最新刊『