女子世界1位バーティもUSオープンのタイミングについて懸念を表明
まだ新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックに関わる懸念が大いにある中、アシュリー・バーティ(オーストラリア)がUSオープンを開催することを懸念する有名選手たちの列に加わった。
すべてのエリートレベルの大会が休止されているため、女子世界ナンバーワンのバーティはまだフレンチ・オープンのタイトルを防衛するチャンスを手にしていない。彼女はすでに2020年ウインブルドンがないという事実を受け入れたが、8月31日から始まる予定のUSオープンに関しては状況が明らかになるのを待っているところだ。
ここ8つのグランドスラム大会で男子シングルスのタイトルを独占しているノバク・ジョコビッチ(セルビア)とラファエル・ナダル(スペイン)は、USオープンでプレーヤーに科される可能性がある制約、プレーヤーの側近に関する制限や他の変更について疑念や不安を表明している。女子世界2位のシモナ・ハレプ(ルーマニア)もまた、プレーするか躊躇しているという。
「私も懸念している」とバーティはAP通信への電子メールの中で打ち明けた。「大会側が開催を熱望しているのは分かっているけれど、皆の安全を保つのが優先事項であるべきよ」。
このグランドスラム大会を8月末にニューヨークで開催するか否かついての決断は、全米テニス協会(USTA)の理事会によって今週中に下される可能性がある。ジョンズ・ホプキンズ大学が収集したデータによれば、全世界で約43万3000人と言われるCOVID-19による死者がアメリカ合衆国だけで11万5000人を超えており、そのうち3万人以上はニューヨーク州から出ている。
少し前にセルビアの国営テレビ「RTS」のインタビューに答えたジョコビッチは、自分が話した選手のほとんどはUSオープン出場についてかなりネガティブな姿勢だったとコメントした。そして彼自身の意見として、「もしこのままの状態なら9月初頭からクレーコートでシーズンを続けることになる可能性が高い」と話していた。
フレンチ・オープンはCOVID-19の発生により、本来の5月から9月後半へと開始が延期された。通常の状況下ではツアーがクレーコートからグラスコートを経てハードコートに戻ったあとに迎えるUSオープンは、年間4つのグランドスラム大会の中で最後のものだ。
USオープンの新しい大会ディレクターに就任したステイシー・アラスター氏は、主催者は「どのようにしてファンをバーチャル的に惹き込むかの策」を練っていると発言している。この言葉から判断すれば、観客が――少なくとも大人数の観客が――会場で観戦を許されるとは想像しがたい。
トーナメントを開始するための提案によれば、プレーヤーはUSTAが用意したチャーター便で旅する前にウイルス検査を受けて陰性であることを証明する必要がある。また健康状態と体温のチェックが毎日あり、ときには鼻の粘膜や唾液を調べたり抗体検査も行われるはずだ。
「トーナメントの仕組みや舞台設定がどのようなものになるのか、未だに考えを巡らせているわ」とバーティは明かした。
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