アメリカ・ワシントンDCで開催された「シティ・オープン」(7月30日~8月5日/賞金総額214万6815ドル/ハードコート)の男子シングルス決勝。

 アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)の2年連続でのワシントンDC優勝は、彼がテニス界のほかの新進気鋭の若手たちと一線を画しているという事実の、最新のサインに過ぎなかった。だからといって、ロジャー・フェデラー(スイス)やラファエル・ナダル(スペイン)のような選手たちがすでに危機感を抱いていると、ズベレフ自身が確信しているわけではない。

「彼らに聞いてみるといい。ロジャーがそういうことをすごく懸念しているとは思えないけどね」とズベレフは笑みを浮かべて言った。「彼は今頃スイスのどこかで…彼の牛のミルクを楽しんでいるだろうね」。

 ズベレフは、日曜日の決勝でアレックス・デミノー(オーストラリア)を6-2 6-4で倒し、ワシントンDCで約10年ぶりに2連覇を果たした男となった。これ以前に2連覇に成功した者は、2008年と2009年に優勝したフアン マルティン・デル ポトロ(アルゼンチン)にまで遡る。

 ズベレフは、キャリア9度目、今年3つ目のタイトルを獲得する過程で、6本のサービスエースを決め、一度も相手にブレークポイントを許さなかった。

「今日、彼は僕をコートからはじき出した」とデミノーは言った。

 ズベレフは21歳、デミノーは19歳----これはATPツアーにおいて、2007年のインディアンウェルズで、20歳のナダルが19歳のノバク・ジョコビッチ(セルビア)と対戦したとき以降、もっとも若い決勝の組み合わせだった。

「この手のトロフィーは、きっとすぐに君の手に握られることになると、僕は確信している」とズベレフはデミノーに言った。ふたりの決勝進出者の年齢は近かったとはいえ、ズベレフは、体格、経験ともに、かなり先をいっていた。

 ズベレフは身長198cm、世界3位であり、少なくとも3つのマスターズ・タイトルを獲得したことのある、たった5人の現役選手の一角だ(5人のそのほかの面子は、フェデラー、ナダル、ジョコビッチ、そしてアンディ・マレーである)。一方、デミノーは身長180cm、72位であり、まだどんなツアー・レベルのタイトルも獲得していない。

「サーシャ(アレクサンダーの愛称)・ズベレフは、プロテニスの未来だ」と大会の創設者のひとりでチェアマンのドナルド・デルは言った。「彼は世界1位の座を目指し、フェデラーとナダルのあとを追っている」。

 3回戦で兄のミーシャ・ズベレフ(ドイツ)を倒したズベレフは、気温が32度に至ったその湿気の多い午後、支配的なパフォーマンスを披露した。太陽は、週を通して大会をさいなみ、日程を狂わせた雨に次ぐ雨とは対照をなしていた。雨による進行の遅れと過密日程のせいで、元世界1位のマレーはデミノーとの準々決勝の前に棄権を決めるに至っていたのである。

 最初のゲームでデミノーのサービスをブレークしたズベレフは、15分後にさらにもう一度ブレークを果たして4-0とリードを広げた。彼らはそこからさらに1時間プレーしたが、その瞬間から、結果はすでに明らかになっているように見えた。

 ズベレフは、ファーストサービスが入った29ポイントのうち26ポイントを、サービスからのトータル48ポイントのうち37ポイントを取った。彼は、時速197kmと183kmのサービスエースをたたき込み、第1セットを華やかに締めくくった。

 デミノーがサービスをしているとき、ズベレフは11本のブレークポイントをつかみ、そのうち3つをものにした。ズベレフの強烈なグラウンドストロークは、デミノーの手に余った。デミノーのボディ・ランゲージは、頻繁に、ことの成り行きを物語っていた。

 第2セットの序盤に双方がネットに出たとき、ズベレフはキレのいいボレーでポイントを取り、デミノーは、どうしようもないといった表情を見せた。その数ポイント後、デミノーはフォアハンドをアウトし、頭を垂れてうなだれると、自分に向かって叫んだ。時速201kmのサービスが通りすぎていったとき、彼はただうなずいた。

 第2セットにフォアハンドのパッシングをダウン・ザ・ラインに決めてブレークしたズベレフは、2-1としたときに観客席の父のほうを見て「レッツ・ゴー」と叫びはした。しかし、概して言えば、デミノーほど感情を露わにしなかった。

 そしてまもなく、勝利とタイトル防衛、そしてテニス界の頂点に向けての着実な前進の中で、ズベレフが踏んだ最新の一歩は、まっとうされたのである。(C)AP(テニスマガジン)

※写真はアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)
WASHINGTON, DC - AUGUST 05: Alexander Zverev of Germany celebrates a win against Alex De Minaur of Australia during the Men's Finals on Day Nine of the Citi Open at the Rock Creek Tennis Center on August 5, 2018 in Washington, DC. (Photo by Mitchell Layton/Getty Images)

This article is a sponsored article by
''.