「東レ パン パシフィック オープン」(WTAプレミア/9月17〜23日/賞金総額79万9000ドル/室内ハードコート)は19日、シングルス2回戦4試合、ダブルス1回戦4試合が行われ、USオープン女王の大坂なおみは初戦を快勝で、準々決勝へ進んだ。

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 大会3日目の最終試合。大坂がUSオープン優勝後に初めてプレーする凱旋試合ということもあり、チケットはソールドアウト。大坂のプレーをひと目見たいというテニスファンの熱視線を浴びながら、USオープン覇者が圧巻のテニスを見せた。

 6-2 6-1。試合時間はわずか59分。2セットでサービスエース10本。観客がため息を漏らすような強力なサービスを叩き込み、世界ランク30位のドミニカ・チブルコバ(スロバキア)を圧倒したが、その成長をより強く印象付けたのは、ラリーでの安定感やアジリティを高めたフットワーク、そして充実したメンタル面だ。

 2年前の東レPPO、当時まだ18歳だった大坂と対戦した印象をチブルコバは「もちろん素晴らしいサービスを持っていましたが、そのときはもっとミスがあった」と語る。

「そのときも私が負けたのですが、そのときと比べると、今日、彼女はどちらかというと我慢しながらプレーしていて、私にボールを打たせて、しっかりとそれを見ているというところがあった。2年間で多くの経験を積んできたと思いますし、ニューヨークであれだけの勝利を挙げたあとであれば、自信も深まっているでしょう」と、実際にコートで対戦したからこそわかる大坂の変化と成長について語った。

 大坂の粘り強いプレーを支えているのは、サーシャ・バイン・コーチとの練習で磨いたストローク、そして練習とトレーニングでよりフィットしたフィジカル面だろう。

 USオープン優勝後に「日本に行ったら、トンカツ、カツ丼、カツカレーを食べたい」と語っていた大坂だが、日本滞在1週間が経っても、そのささやかな希望は実現されていない。

「今はダイエット中だから、大会が終わってから楽しみたい」と大坂。シャープな動きで、粘り強いプレーが信条のチブルコバのお株を奪うように躍動し、そこから大坂ならではの攻撃的な力強いショットを、正確に決めていった。

 高まる注目度にも「あまりプレッシャーとは感じませんでしたし、むしろエキサイティングな気持ちになった」とキッパリ。「たくさんの方々が今日の試合を観にきてくれているという感謝の気持ちや、サポートしてくれることをうれしく思っているから」と大坂は言い、課題とされてきたメンタル面の充実もうかがわせた。

 ビッグタイトルによる環境の変化はもちろん感じないわけはないが、「USオープンのあと、東京でプレーするということも私にとって助けになっている。しっかりと戦おうという気持ちに切り替えさせてくれている」と、周囲の熱いフィーバーをよそに、冷静に自身を分析できている。

 この心身充実のプレーを続ければ、週末までの1週間、いやその先も長く、“なおみフィーバー”はまだまだ止むことはなさそうだ。

 なお、試合後には、日本選手初のグランドスラム・タイトルを獲得した大坂に対して、日本テニス協会より報奨金授与のセレモニーが行われ、800万円が贈呈された。ちなみに、2014年のUSオープンで錦織圭が準優勝を果たした際には、当時500万円が贈呈されている。

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 大坂の試合の前に行われたシングルス2回戦では、第4シードのカロリーナ・プリスコバ(チェコ)、第2シードのカロリーヌ・ガルシア(フランス)が勝利し、準々決勝へ進んでいる。2度のグランドスラム優勝の経験を持つ第6シードのガルビネ・ムグルッサ(スペイン)は、予選を勝ち上がって本戦入りしたアリソン・リスク(アメリカ)に1-6 2-6のストレートで敗れた。

 また、ダブルスでは4月のフェドカップ・プレーオフ、対イギリス戦で日本の勝利を決めた加藤未唯(ザイマックス)/二宮真琴(橋本総業ホールディングス)が、小堀桃子(橋本総業ホールディングス)/清水綾乃(Club MASA)との日本ペア対決を制し、準々決勝へ進んでいる。

(ライター◎田辺由紀子)

※写真は大坂なおみ(日本/日清食品)(撮影◎佐藤明)

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