女子準決勝プレビュー「ケルバー対ハレプ」「ウォズニアッキ対メルテンス」 [オーストラリアン・オープン]
オーストラリア・メルボルンで開催されている「オーストラリアン・オープン」(1月15~28日/ハードコート)の大会11日目は、女子シングルス準決勝が行われる。
アンジェリック・ケルバー(ドイツ)は、自分がオーストラリアでテニスの魔法を再発見したことに驚いてはいなかった。
彼女は木曜日、第1シードのシモナ・ハレプ(ルーマニア)と準決勝を戦うため、そのよい感触と対戦成績の微かな優位性をロッド・レーバー・アリーナに持ち込むことだろう。
「気分はいいわ。ここで私の初めてのグランドスラム・タイトルを獲得したから、この大会は常に特別なの」とケルバーは言った。彼女は2016年オーストラリアン・オープン決勝でセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)を倒し、そして同年USオープンでも優勝していた。彼女は、まだ勝ち残っている者の中で、グランドスラム大会での優勝経験を持つ唯一の選手だが、マリア・シャラポワ(ロシア)が3回戦で敗れて以来、ずっとそうだった。
不毛だった2017年に、世界1位から21位に滑り落ちたあと、ケルバーはパースでの「ホップマンカップ」(男女混合国別対抗戦)で戦ったシングルス4試合のすべてに勝ち、「シドニー国際」での優勝への道のりで、さらに5試合の勝利を重ねて、新年を力強くスタートさせた。そして今、彼女はメルボルンでも、ここまでのところでさらに5試合に勝っている。
「オフシーズンに大いにハードワークを積んだの。大きな大会で、コートに出て行ってよいプレーをし、競った試合に勝つことができるとわかっている」とケルバーは言う。
2度フレンチ・オープンで準優勝しているハレプは準々決勝で、スロースタートを迅速に克服してカロリーナ・プリスコバ(チェコ)を6-3 6-2で下したあと、今一度、初のグランドスラム・タイトル獲得を目指して挑戦しようとしている。
USオープン準優勝者のマディソン・キーズ(アメリカ)に対し、同様に一方的な6-1 6-2の勝利を刻んだケルバーは、ハレプに対するここ5試合のうち4試合に勝っているとはいえ、4勝4敗という対戦成績から、心地よさを得ることはできない。これらの対戦でもっとも最近のものは、2016年末のWTAファイナルズでの6-4 6-2の勝利だ。
「多くの長いラリーのある、長い試合になると思うわ。彼女とは何度も対戦したけれど、いつも厳しい競り合いだった」とケルバーは言った。
ハレプは足首の不具合に煩わされており、第3セットが15-13というスコアで終わったローレン・デービス(アメリカ)に対する3回戦では、マッチポイントをセーブしなければならなかったが、準々決勝では「いいリズムを感じ始め、よりアグレッシブだった」と自負していた。
ケルバーに対する試合について、ハレプはこう言う。「彼女はここが好きだけど、私もこの大会を好きになり始めている。準備はできているわ。精神的に強さを感じている」。
カロライン・ウォズニアッキ(デンマーク)は、ノーシードのエリース・メルテンス(ベルギー)に対するもう一つの準決勝に勝って、これまで彼女の手から逃げ続けている初のグランドスラム・タイトルに、また一歩近づきたいと願っている。
37位のメルテンスは、女子シングルスのベスト4進出者の中で、もっともランキングが低いプレーヤーだ。しかし彼女は大会を通して、誰にも威圧されることはない、というところを証明しており、精神的にも肉体的にもよい調子であるように見える。
昨年ランキングの階段を91段上った22歳のメルテンスは、第4シードのエリナ・スビトリーナ(ウクライナ)を6-4 6-0で下して準決勝に進出するまでの過程で、一度もセットを落とさず、頻繁に息詰まるほど暑かった大会の中で、エネルギーを温存していた。彼女にとって、これはグランドスラム大会での5度目の挑戦、そしてメルボルンパーク初訪問での、初の準決勝進出となる。
第2シードのウォズニアッキは、彼女にとって6度目のグランドスラム大会準決勝を戦うが、オーストラリアン・オープンではまだ2度目に過ぎない。
「いいサービスを打つ必要があるわ。そしていいリターンをすること。アグレッシブな姿勢を保ち、彼女を走らせなければならない」とウォズニアッキは言った。
2009年、2014年USオープン準優勝者であるウォズニアッキは、ふたりのこれ以前の唯一の対戦だったスウェーデン・バスタッド(クレーコート)の準決勝でメルテンスを倒すのに、3セットを必要とした。
「彼女はすごく才能ある選手だわ。いうまでもなく、ここまで非常にいい戦いを見せている。すごく難しい試合になると思うけれど、私は挑戦にワクワクしているし、準決勝をプレーできることに興奮を覚えているわ」とウォズニアッキは言った。
ウォズニアッキは、ロッド・レーバー・アリーナでラファエル・ナダル(スペイン)とマリン・チリッチ(クロアチア)の5セットマッチを見ながら試合が終わるのを待たねばならず、火曜日の深夜――というより水曜日に入ってようやく、カルラ・スアレス ナバロ(スペイン)に対する6-0 6-7(3) 6-2の勝利をつかんだが、試合後、あらゆる疲れの概念を否定した。
「試合と試合の間に一日オフがあることは悪くないわ」と彼女は言った。「しっかり寝て、リセットすることができる。(疲れについては)そう心配してはいないわ」。(C)AP(テニスマガジン)
※写真はアンジェリック・ケルバー(ドイツ)
Photo: MELBOURNE, AUSTRALIA - JANUARY 22: Angelique Kerber of Germany plays a backhand in her fourth round match against Su-Wei Hsieh of Taipei on day eight of the 2018 Australian Open at Melbourne Park on January 22, 2018 in Melbourne, Australia. (Photo by XIN LI/Getty Images)
Pick up
-
PR | 2024-10-20
『ノアから世界へ』——ノア・テニスアカデミー所属、駒田唯衣選手&富田悠太選手インタビュー
全国に35校のテニススクールを展開する業界大手の『ノアイ
-
2024-10-27
第63回テニマガ・テニス部「テニス丸ごと一冊サービス[増補版] 解説編』キャンセル待ち受付中
キャンセル待ち受付中=====テニマガ・テニス部 部活プ
-
2024-10-08
テニス丸ごと一冊サービス[増補版] QRコード(動画)付(堀内昌一 著)書籍&電子書籍
「テニスマガジン」のサービス特集をきっかけに、MOOK「テニ
-
2024-05-03
『テニスフィジバト道場』(横山正吾 著)テニスプレーヤーのための最新フィジカルトレーニング
Tennis Magazine extraシリーズテニスプレ
-
2024-02-05
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(荒木尚子/著)
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(
-
2022-12-05
勝つための“食”戦略 『最新テニスの栄養学』(高橋文子著)
Tennis Magazine extra シリーズ最新テニ
Pick up
-
PR | 2024-10-20
『ノアから世界へ』——ノア・テニスアカデミー所属、駒田唯衣選手&富田悠太選手インタビュー
全国に35校のテニススクールを展開する業界大手の『ノアイ
-
2024-10-27
第63回テニマガ・テニス部「テニス丸ごと一冊サービス[増補版] 解説編』キャンセル待ち受付中
キャンセル待ち受付中=====テニマガ・テニス部 部活プ
-
2024-10-08
テニス丸ごと一冊サービス[増補版] QRコード(動画)付(堀内昌一 著)書籍&電子書籍
「テニスマガジン」のサービス特集をきっかけに、MOOK「テニ
-
2024-05-03
『テニスフィジバト道場』(横山正吾 著)テニスプレーヤーのための最新フィジカルトレーニング
Tennis Magazine extraシリーズテニスプレ
-
2024-02-05
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(荒木尚子/著)
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(
-
2022-12-05
勝つための“食”戦略 『最新テニスの栄養学』(高橋文子著)
Tennis Magazine extra シリーズ最新テニ