第1シードの上唯希(早大3年)がマッチポイントを凌いで2年連続決勝進出 [インカレ室内]
「平成29年度 全日本学生室内テニス選手権大会(第54回)」(大阪府吹田市・江坂テニスセンター/本戦11月30日~12月3日/室内ハードコート)の本戦3日目は男女シングルス準決勝、ダブルス決勝が行われた。
第1シードの上唯希(早大3年)と第4シードの牛島里咲(筑波大3年)の準決勝は最後まで目の離せない激戦となった。勝ったのは上。スコアは4-6 7-6(5) 6-4。試合時間は3時間44分だった。
第1セットを落とした上は、第2セットも5-6で迎えた第12ゲームでマッチポイントを奪われる苦しい展開だった。しかし、そこから執念の逆転勝利。「たくさん振り回されたけれど、プレーにメリハリをつけて戦い抜いた。最後は気力を振り絞っての勝利です」と安堵の表情を浮かべた。
相手の粘り強さにミスも出たが、消極的になることはなかった。「常に自分から攻めている気持ちがあった」と上が言う。「その気持ちが(勝利に)つながったと思う」と勝因を口にした。
牛島にすれば第2セットで決着をつけるべき試合だった。「自分に多くのチャンスがあったのに、それをつかみきれなかった」と悔しさいっぱい。速いサーフェスにも適応し、優勢に試合を進めていたが、最後の詰めを欠いてしまった。「もったいない試合でした」という本人の言葉がすべてだろう。
第2シードの森崎可南子(筑波大3年)と第3シードの清水映里(早大1年)の準決勝は、清水が4-6 6-3 6-3で逆転勝利を飾った。清水は1年生ながら今夏のインカレに続いて決勝へと勝ち上がった。
第1セットは森崎のサービスに手こずり、一度もブレークできずに落とした。第2セットからは「粘り強く返し、何とかラリーに持ち込んだ」という。ラリー戦になれば、森崎のフォアは脅威だが、左利きの利点を生かせる分、自信があった。
清水と森崎のフォアハンドは学生テニス界屈指の破壊力だ。そのふたりが打ち合ったパワフルなストローク戦は見応えのあるものだった。ハイレベルな展開が続いたが、最後はミスの少なかった清水が勝利をつかんだ。マッチポイントは狙っていたセンターへのサービスエースだった。
「第1セットを奪ったことで安心してしまった」と森崎が悔やむ。引いたわけではないが、一気に攻め込んでいく気迫は持てず、相手を生き返らせてしまった。最終セットは力みも出て、要所を締めきれず。「フォアのミスが多かった」と肩を落とした。
早筑対決の準決勝は、ともに早大が勝ち、明日の決勝は上と清水のレフティー対決となった。上は2年連続の決勝進出となり、清水の挑戦を受ける。
ダブルス決勝は、第1シードの上/大矢希(早大3年)が戦わずして優勝を決めた。第2シードの押野紗穂/向井マリア(慶大3年/2年)が押野の右膝痛を理由に棄権を申し出た。上は2年ぶり2回目の優勝。大矢はうれしい大学初の全国タイトルとなった。
写真◎毛受亮介
テニスマガジン/編集部◎牧野 正
※トップ写真は、激戦を終えた上唯希(早大3年/左)と牛島里咲(筑波大3年)
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