ナダルが考える勝利のメンタリティとは? 今季最終ランキング1位を確実に [ロレックス・パリ・マスターズ]

 フランス・パリで開催されている「ロレックス・パリ・マスターズ」(ATP1000/10月30日~11月5日/賞金総額427万3775ユーロ/室内ハードコート)のシングルス2回戦。

 第1シードのラファエル・ナダル(スペイン)が世界1位で今年を終えることになった。ナダルが年末最終ランキングで1位となったのは、これで4度目となる。

 31歳のナダルは、初戦の2回戦でチョン・ヒョン(韓国)を7-5 6-3で倒し、ナンバーワンの座を確実にした。

2013年以来、世界ランキング1位でシーズンを終えることになったナダル
PARIS, FRANCE - NOVEMBER 01: (EDITOR'S NOTE: This image was converted to black and white) Rafael Nadal of Spain reacts as he arrives for the men's single first round match against Hyeon Chung of Korea during day three of the Rolex Paris Masters at AccorHotels Arena on November 1, 2017 in Paris, France. (Photo by Aurelien Meunier/Getty Images)

 グランドスラム優勝16回のナダルは、ノバック・ジョコビッチ(セルビア)とアンディ・マレー(イギリス)が覇権を握る中、2013年以来、最終ランキング1位から遠ざかっていた。

「間違いなく1年前には、シーズン末にふたたび世界1位になるなどと、夢見てさえいなかった」とナダルは言った。彼は2016年の大部分を、手首の故障のために棒にふっていた。

「(今年は)驚くほど素晴らしい年だった」

 ナダルの故障、調子の低下、自信喪失からのカムバックは、実に目覚ましいものだった。彼は今年3つのグランドスラム大会で決勝に進出し、オーストラリアン・オープンはロジャー・フェデラー(スイス)に敗れたが、フレンチ・オープンで10度目の優勝を遂げ、USオープンでは3度目のタイトルを獲得した。

「プレーすらできない厳しい時期から復帰した僕にとって、ナンバーワンになることを考えるなど不可能なことだった」とナダルは言った。ナダルは2008年と2010年にもまた、世界1位として年を締めくくっていた。

「これは本当に大きな意味がある。最初に世界1位になってから、ほとんど10年の年月が流れたあとで…」

 ナダルはまた、もっとも年齢の高いナンバーワンでもあり、これは彼の激しく間断ない決意の証明でもある。

「自分がやっていることへの情熱が、もっとも大切なことなんだ。コートに出て行って何かを上達させたいという、正しいモティベーション持って毎朝目覚めるメンタリティが。それが勝利のメンタリティというものだろう?」

 何があなたを駆り立て続けるのか、と聞かれ、ナダルはこう答えた。

「何かを向上させたいと願い、それを実現させようと努める正しい姿勢をもって、毎日練習を積む情熱……皆がそうできるわけではない」

 彼の目覚ましき今シーズンの唯一の傷は、今季グランドスラム大会とATPツアーで7度優勝し、優勝数でトップに立つフェデラーに当たるたびに敗れてきたことだろう。

 フェデラーは今年、4度連続でナダルを倒し、そのうち3試合ではセットすら落としていない。グランドスラム優勝19回のフェデラーは、ロンドンで11月12日から始まるシーズン最終戦のATPファイナルズに集中するため、このパリ・マスターズ出場を取り消す前には、わずかではあるが世界1位になる可能性を残していた。

 この日、21歳のチョンと対戦したナダルは最高の調子であるようには見えなかったが、試練を課された瞬間はごく稀だった。

 チョンは第1セットの第9ゲームでブレークバックし、それからサービスをキープして5-5としたが、ナダルは最後のゲームでチョンのサービスをラブゲームでブレークし、セットを先取した。

 チョンは、12分かかった第2セット第4ゲームを4つのブレークポイントをセーブした上でキープし、2-2とした。しかしナダルはそこからプレーを加速させていく。5-3リードからのナダルのサービスゲームでは、チョンのミスが目に見えて早くなり、ナダルの2つ目のマッチポイントで、チョンのフォアハンドがラインを割った瞬間、勝利はナダルの手に落ちた。

 ジョコビッチとタイとなる、マスターズでの優勝回数30を誇るナダルだが、彼は一度もパリ・マスターズで優勝したことがない。ナダルは3回戦でパブロ・クエバス(ウルグアイ)と対戦する。

 また、第4シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)はロビン・ハッサ(オランダ)に6-3 2-6 2-6で敗れた。第9シードのジョン・イズナーはディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)に7-6(2) 6-7(11) 6-3で競り勝った。

 ハッサの次の相手は、第13シードのフアン マルティン・デル ポトロ(アルゼンチン)だ。デルポトロはジョン・ソウザ(ポルトガル)を6-2 6-2で退けた。ビッグサーブを武器のひとつとするデル ポトロが、ロンドンでのATPファイナルズに出場するチャンスをつかむには、ここパリで優勝する必要がある。

 シュワルツマンは、第2セットのタイブレークで3つのマッチポイントをしのいだあと、イズナーのフォアハンドのミスのおかげでセットオールに持ち込んだ。昨年のパリの決勝でマレーに敗れていたイズナーは、次の3回戦で第6シードのグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)と対戦する。ディミトロフは、地元選手のリシャール・ガスケ(フランス)を6-4 6-4で倒して勝ち上がった。

 ルカ・プイユ(フランス)はフェリシアーノ・ロペス(スペイン)に対する6-3 6-4の勝利で、ATPファイナルズ出場権獲得へのわずかな希望をつないだ。反対に第12シードのケビン・アンダーソン(南アフリカ)はフェルナンド・ベルダスコ(スペイン)に7-5 4-6 5-7で逆転負けにより、大きな痛手を受けることになった。

 世界11位のジョーウィルフリード・ツォンガ(フランス)にとってのロンドン行きの夢は、フランス人対決となった2回戦でのジュリアン・ベネトーに対する6-2 6-7(4) 2-6の敗戦により、終わりを告げることになった。

 ベネトーは3回戦で、第7シードのダビド・ゴファン(ベルギー)と対戦する。ゴファンはアドリアン・マナリノ(フランス)を6-2 2-6 6-3のフルセットの末に下して勝ち上がった。

 また第16シードのジャック・ソック(アメリカ)も、14本のサービスエースを記録しつつ、4-6 7-6(4) 7-6(5)でカイル・エドマンド(イギリス)に競り勝った。ソックは木曜日の3回戦でプイユと対戦することになる。(C)AP(テニスマガジン)

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