フェデラーが男女ツアー統合の展望を提言「今こそひとつになるべき」
ロジャー・フェデラー(スイス)は水曜日に一連のツイッターへの投稿を通し、男子と女子のプロテニスツアーの運営組織の統合を呼び掛けた。
世界中のスポーツが新型コロナウイルス感染症の流行により休止を強いられているこの時期に、膝の手術からの回復過程にあるフェデラーは自らの意見を表明した。
「今こそ男子と女子のテニスは合併し、ひとつとなるべき時がきたと考えているのは僕だけだろうか?」とフェデラーはツイッターで問いかけ、ファンや仲間のテニスプレーヤーから大きな反響を呼び起こした。
テニスがプロ化された時代は、1968年から始った。ATP(男子プロテニス協会)は1972年に創設されて以来、男子ツアーを運営している。WTA(女子テニス協会)は1973年に誕生し、女子のプロテニスをひとつのツアーにまとめ上げた。
今回のフェデラーより以前にも他の者によって提唱されていたこのアイデアは、このふたつのツアーを合併させ、男女双方の運営に対処するひとつの運営団体とするというものだ。
「これは恐らく、もっと前に実現しておくべきことだった」とフェデラーは述べた。「でも今、本当にそうすべきときがきたのかもしれない」。
このソーシャルメディアへのコメントには、多くの情熱的な返信の書き込みが集まった。その中にはラファエル・ナダル(スペイン)、また世界トップクラスの女子プレーヤーの名もあった。
「以前に話し合ったから君も知っていると思うが、僕は男子と女子のテニスをひとつの運営組織として合併し、この世界的危機から抜け出すことができたなら素晴らしいだろうということに完全に同意する」とナダルはフェデラーに返信した。
揃って近年にウインブルドン優勝を遂げているシモナ・ハレプ(ルーマニア)とガルビネ・ムグルッサ(スペイン)もまた、フェデラーのアイデアに「いいね!」と親指を上げてみせた。
女子テニス界のレジェンドであるビリー ジーン・キング(アメリカ)も同様だった。キングはWTAを生み出し、過去に男子と女子のツアーを統合しようと試みたが、それに成功しなかったのだ。
「同意するわ。私は1970年台からそう言い続けてきた。男子と女子を合わせたひとつの声、それは長いこと私にとってテニスの理想像だった」とキングはフェデラーに答えてツイートした。「WTAが独立している形は、ずっと“プランB”だった。私たちが同じ考えを抱いていることをうれしく思う。是非、これを実現させようじゃないの」。
これまで男女を合わせたテニスツアーは一度もなかったが、毎年数回に渡って男子と女子のプレーヤーは同じ大会でプレーしており、そういった大会の中に4つのグランドスラム大会もある。しかしながらシーズンの大部分で、男女のツアーは完全に分かれているのが現状だ。
「違ったランキングシステム、違ったロゴ、違うウェブサイト、違う大会カテゴリーがあるというのはファンにとって非常に分かりにくくて紛らわしいものだ」とフェデラーはある読者のコメントに返信した。
彼はこの議論の中で、「コート上での競争を合併させることについて言っているのではない。ふたつの運営機関を統合させることについて話しているのだ」という点を強調した。
「すべてのスポーツに厳しい時期というものがある。我々はふたつの弱った運営団体、あるいはひとつのより強い運営団体とともにこの困難の時期から抜け出す可能性を手にしている」とフェデラーは訴えた。
WTAの元最高責任者(CEO)であるアン・ウスター氏は今月フォーブス誌に掲載されたインタビューの中で、男子と女子のツアーの合併を呼び掛けていた。
新型コロナウイルスの世界的流行によりすべてのプロテニスツアーは少なくとも7月中旬まで休止となっており、チケット売り上げやテレビ放映権などからくる収入を失ったためにテニスは財政的危機に陥ることになった。
38歳のフェデラーは、2月に右膝に関節鏡による手術を受けた。彼はウイルス拡散で世界中のスポーツ活動が中断される前に、少なくとも4ヵ月は回復のためにコートから遠ざかることを予定していた。彼はこのパンデミック(伝染病の世界的大流行)の間、自宅練習のビデオをツイッターに流していた。(APライター◎スティーブ・ダグラス/構成◎テニスマガジン)
※写真は南アフリカで行われたエキシビションマッチの記者会見でのロジャー・フェデラー(スイス)
CAPE TOWN, SOUTH AFRICA - FEBRUARY 05: Roger Federer during the arrival press conference in Cape Town ahead of The Match in Africa against Rafael Nadal at Cape Town International Airport on February 05, 2020 in Cape Town, South Africa. (Photo by Reg Caldecott/Gallo Images/Getty Images)
Pick up
-
2024-12-12
サービス第二弾!テニス丸ごと一冊サービス [技術の修正](堀内昌一 著)12月25日(水) 書籍&電子書籍同時発売
テニス丸ごと一冊サービス [技術の修正](堀内昌一 著)20
-
2024-12-12
テニスマガジン今後の予定(部活および新刊情報)
CHECK1テニスマガジンONLINEテニス界の最新情報を毎
-
2024-10-08
テニス丸ごと一冊サービス[増補版] QRコード(動画)付(堀内昌一 著)書籍&電子書籍
「テニスマガジン」のサービス特集をきっかけに、MOOK「テニ
-
2024-05-03
『テニスフィジバト道場』(横山正吾 著)テニスプレーヤーのための最新フィジカルトレーニング
Tennis Magazine extraシリーズテニスプレ
-
2024-02-05
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(荒木尚子/著)
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(
-
2023-04-03
『テニスの心理学~“心”技体を鍛えてメンタルタフになれ!』(佐藤雅幸著)
Tennis Magazine extraシリーズの最新刊『
Pick up
-
2024-12-12
サービス第二弾!テニス丸ごと一冊サービス [技術の修正](堀内昌一 著)12月25日(水) 書籍&電子書籍同時発売
テニス丸ごと一冊サービス [技術の修正](堀内昌一 著)20
-
2024-12-12
テニスマガジン今後の予定(部活および新刊情報)
CHECK1テニスマガジンONLINEテニス界の最新情報を毎
-
2024-10-08
テニス丸ごと一冊サービス[増補版] QRコード(動画)付(堀内昌一 著)書籍&電子書籍
「テニスマガジン」のサービス特集をきっかけに、MOOK「テニ
-
2024-05-03
『テニスフィジバト道場』(横山正吾 著)テニスプレーヤーのための最新フィジカルトレーニング
Tennis Magazine extraシリーズテニスプレ
-
2024-02-05
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(荒木尚子/著)
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(
-
2023-04-03
『テニスの心理学~“心”技体を鍛えてメンタルタフになれ!』(佐藤雅幸著)
Tennis Magazine extraシリーズの最新刊『