190cm超の長身対決、日本のトゥロターがスイスのベンチッチを接戦で下す [世界スーパージュニア]

 国際ジュニア大会で最高レベルの『グレードA』に属する「大阪市長杯 世界スーパージュニアテニス」(本戦10月16~22日)が開幕した。悪天候のために一日遅れの本戦スタートとなった上、この日は本来の会場である大阪市・靭テニスセンターに加えて兵庫県三木市のブルボンビーンズドームも使用。正午過ぎまで雨が残ったため、女子のシングルス1回戦がインドアのビーンズドームで行われ、男子はアウトドアの靭で午後2時の試合開始となった。幸い午後は雨に邪魔されず、男女ともにシングルス1回戦はすべて終了。64ドローのうち日本選手は男子33人、女子は27人いたが、2回戦に駒を進めたのは男子15人、女子7人だった。

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 男子日本勢は、トップシードの清水悠太(イカイ)をはじめ、第4シードの田島尚輝(TEAM YONEZAWA)、第6シードの市川泰誠(A&F)が上位にシードされている。いずれも1回戦を突破。そしてこの日の注目カードは、日本人4番目となる第11シードのトゥロター・ジェームズ(西宮甲英高)とブライアン・ベンチッチ(スイス)の一戦だっただろう。

1回戦を突破したトゥロター・ジェームズ(写真◎真野博正)

 トゥロターはオーストラリア人の父を持つハーフで、ベンチッチのほうはその名前でピンとくる通り、元世界7位のベリンダ・ベンチッチ(スイス)の弟だ。ベリンダとは3つ離れた17歳。トゥロターもベンチッチも190cmを越える長身のビッグサーバーとあって、試合は両者サービスゲームを譲らない展開となった。

 第1セットはタイブレークでベンチッチ。しかし、「ラリーで主導権を握られてしまったので、無理してでも攻めていこうと思った」というトゥロターが、第2セットを6-4で奪い返した。ファイナルセットでもブレークのチャンスを何度か握ったが、ベンチッチの強力サーブに阻まれ、あと一本がなかなか奪えない。

 ふたたびタイブレークに突入。6-4の自分のサービスでマッチポイントを迎えたトゥロターだが、締めくくれず6-6に追いつかれる。7-6で握った3度目のマッチポイントでダブルフォールトをしたときは嫌なムードが漂ったが、自滅せずに踏ん張った。ラリー戦を制して4度目のマッチポイントをつかみ、最後はベンチッチのフォアハンドがネット。18歳のトゥロターが3時間半を越す接戦を制した。

「今回は1回戦突破が目標でした。欲を出すとだいたい何かやらかすので(笑)。このあとも一戦一戦がんばりたい」

 今年はウインブルドン・ジュニアとUSオープン・ジュニアの予選に挑戦し、ウインブルドンでは本戦に駒を進めた。本戦勝利はならなかったが、同じグレードAの大会での初勝利だ。2回戦は白石光(AJTA)との日本人対決となる。

 そのほかにも日本勢同士の2回戦が3試合ある。そのうち、第12シードのイン・バンシュオ(台湾)を破った河野甲斐(石川県立工業高)は、予選上がりの保坂駿太(エストテニスクラブ)と対戦。3日後に17歳の誕生日を迎える河野は昨年も初戦突破しており、初の3回戦進出を目指す。

 女子の日本勢トップ2は、一昨年の準優勝者で第4シードの内藤祐希(TEAM YONEZAWA)と第6シードの佐藤南帆(有明ジュニアテニスアカデミー)。いずれも危なげなく初戦を突破したが、第15シードの宮本愛弓(ローズヒルテニスクラブ)はスイスの選手に敗れた。

(ライター◎山口奈緒美) 

※各選手所属はJTAランキングまたは地域ジュニアランキングを元に掲載

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