早稲田大が慶應義塾大を下して13連覇を達成 [大学王座]
大学テニスの日本一を決める団体戦「平成29年度全日本大学対抗テニス王座決定試合(男子71回/女子53回)」(東京・有明テニスの森公園テニスコート/10月10~15日)の競技5日目は早稲田大学室内コートで男子決勝、慶應義塾大室内コートで男子3位決定戦が行われ、早稲田大が13年連続25回目の優勝を飾った。
早稲田大はD2斉藤聖真/高村佑樹で先勝したが、D3島袋将/千頭昇平がフルセットの戦いに敗れて1勝1敗。両チームともにダブルスは勝ち越したい。それを実現させたのは早稲田大だった。坂井勇仁/田中優之介が逸崎凱人/畠山成冴とのD1対決を3-6 6-3 6-4で制し、チームに勢いを運んだ。
早稲田大の1年生、S3千頭昇平は関西大との準決勝で単複黒星。シングルスは人生初のケイレンに襲われて無念の途中棄権に終わっていた。この試合にかける気持ちは強かったが、気持ちは落ち着いていた。「(敗戦は)気にしていなかった。いつも通りにやるだけでした」と千頭。6-3 6-1のストレート勝利でチームに3勝目を呼び込んだ。
1勝3敗とリードされた慶應義塾大に反撃の予感が漂う。S6韓成民、S5今村昌倫の2試合がともにファイナルセットにもつれる熱戦。この2試合をものにすることができれば3勝3敗となり、勝負の行方はまだわからなかった。
しかし、それをさせないのが早稲田大の強さだ。昨年のインカレ王者でもある小林雅哉が粘る韓を7-6(2) 2-6 6-3で振りきれば、田中優之介も今村との1年生対決を6-2 4-6 6-1で制し、早稲田大の優勝が決まった。
「ダブルスをとったのが大きかった。2勝1敗と1勝2敗では全然違う。準決勝は大事なところをとれなかったけれど、今日はそこをとりきることができた」と早稲田大の土橋登志久監督。13連覇達成には「驚きです」と口にし、「選手もコーチもすべて王座をとることのたいへんさを知っているし、謙虚に取り組んでいる」と連覇の要因を語った。
最終スコアは早稲田大の8勝1敗。「悔しいです」と慶應義塾大の上杉主将。「改めて早稲田の層の厚さを感じた」と敗戦を受け入れた。坂井利彰監督も「ダブルスで先行されては苦しい。そこに尽きる」と敗因を語ったが、「この戦力でよく王座の決勝まできたとも思います。選手たちに対して誇りを持っています」と強い口調で答えた。
慶應義塾大にとって不運だったのは、抽選の結果とはいえ、早稲田大のコートで戦わなければならないことだったか。女子部員も駆けつけ、ホームの早稲田大以上の大声援でメンバーをサポートしたが、1977年以来40年ぶりの優勝をつかむことはできなかった。
関西大と近畿大の対戦となった3位決定戦は、5勝2敗で関西大が勝利した。関西大はダブルスで1勝2敗とリードされたが、シングルスで一気の4連勝。5勝2敗となったところで打ち切りとなった。
写真◎安藤 晃
(テニスマガジン編集部◎牧野 正)
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