澤松豊さん死去、和子さん・順子さん父、奈生子さん祖父
日本テニス協会顧問で、国内外で活躍したテニスプレーヤーの和子さん、順子さんの父、奈生子さんの祖父である、澤松豊さんが10月10日、死去した。93歳だった。
通夜および葬儀告別式は以下のとおり。※供花、香典は辞退を希望
[通夜] 10月11日(水) 19時~
[葬儀](仏式)10月12日(木) 11時~
[場所] 公益社 西宮山手会館 〒662-0856兵庫県西宮市城ヶ堀町1-40 TEL0798-35-1151
[喪主] 澤松忠幸(さわまつ・ただゆき)さん(故人御子息)
澤松豊(さわまつ・ゆたか)さん経歴
(著書『つづける、つながる、つたわる」より/吉田記念テニス研修センター 20周年記念誌)※一部編集しています(テニスマガジン編集部)
大正13年(1924年)4月16日、マニラに生まれる。父がマニラで貿易商を営み、幼少よりマニラでテニスに馴染んだ。昭和11年に帰国後、自宅にテニスコートを造ったことからテニスに励み、学生時代(大阪市立大学テニス部)はプレーヤーとして活躍した。
昭和18年、学生選手として活躍する傍ら、全日本学生庭球連盟関西支部幹事として活躍し、戦後の昭和20年10月には関西庭球協会を再興、11月には全日本学生庭球連盟の幹事長に就任し、在学中ではあったが、日本庭球協会の復活・再発足と同時に理事にも就任し、戦後の厳しい状況の中、庭球界に貢献した。
昭和21年11月には「第一回国民体育大会庭球競技」委員長として、昭和22年8月には「第一回マッカーサー元帥杯大会」、その後、「全国都市対抗」実行委員長として、戦後のスポーツの普及と強化、スポーツ施設の整備に貢献した。
昭和25年7月に国際テニス連盟に復帰後、フィリピンでの庭球経験から国際的な技術を備えた選手の育成と強化が庭球競技の発展に不可欠との信念から、デビスカップのアジア地域大会の設立を日本庭球協会に提案。その結果、国際テニス連盟は昭和30年5月、東京で「日本対フィリピン」の試合を認め、日本最初のデビスカップ試合が行われ、大会役員を務めた。
世界のテニスがオープン化していく中、その開放を提唱し努力し、昭和48年に世界のトップ選手を招聘して日本で初めてオープン大会を開催したことは、今日のジャパンオープンが世界的な大会にまで成長する基礎を作ることになった(その後、昭和63年にソウル・オリンピックでプロの出場が実現した)。
昭和55年の日本庭球協会の財団法人化に向けては、その必要性を早くから提唱し、組織基盤の改変や法人基金確保にも尽力。昭和55年9月21日に「財団法人日本テニス協会」が誕生し、そのとき理事を退任した。
長女・順子さん、次女・和子さん、孫・奈生子さんを、国内はもとより、国際大会で活躍する選手として育て上げた。
加えて、関西で国際大会が開催できるよう施設の建設について故・辰馬龍雄関西テニス協会会長とともに奔走し、大阪市の理解を得て「靭テニスセンター」が平成8年4月に完成。こけら落としとして、デビスカップ「日本対オーストラリア」戦が開催された。その後、世界の次代を担うジュニア選手たちのための「世界スーパージュニア」が毎年開催されている。
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