ジュニア男子ダブルスで日本人ペアの初優勝ならず、清水/堀江はマッチポイント生かせず惜敗 [USオープンDAY13]
「USオープン」(アメリカ・ニューヨーク/本戦8月28日~9月10日/ハードコート)は第13日、女子シングルス決勝が行われ、世界ランク83位のスローン・スティーブンスが同15位のマディソン・キーズとのアメリカ対決を6-3 6-0で制し、グランドスラム初優勝を果たした。
女子シングルス決勝がアメリカ対決なら、ジュニアの男子ダブルス決勝はアジア対決だ。現場の注目度は高くなかったのは無理もない。試合が始まったのは20時を過ぎていた。しかも、日本、中国、台湾のアジア人ばかりの決勝となった。
日本の清水悠太(パブリックテニスイングランド)/堀江亨(関スポーツ塾・T)と、第1シードのスー・ユーシャオ(台湾)/ウー・イービン(中国)のペア。
対戦相手のひとり、ウー・イービンは現在ジュニア世界ランキング2位の実力者で、今大会はシングルスでも最終日の決勝に勝ち残っている。4人の中でもサービス力で群を抜き、フォアハンドでもインパクトの音が違う。個人のレベルとしては格の違いを見せつけたが、ダブルスはそれがすべてでないところがおもしろい。
堀江は今年のオーストラリアン・オープン・ジュニアでこのウーと組んで準決勝に進出している。「ウーのサーブ力がすごいのも、プレースタイルもよくわかっていた」という。しかし緊張感が邪魔をした。グランドスラム初の決勝に緊張したという日本のふたりは、セット立ち上がりから一気に4ゲームを奪われ、第1セットを4-6で失った。しかしセット終盤の追い上げを次につなげ、第2セットは7-5で奪う。
最終セットは10ポイントのマッチタイブレーク。日本ペアは4-7から7-7に追いつき、9-8でマッチポイントを握った。次は相手のサービスだったが、堀江が痛恨のボレーミス。このチャンスを逃し、結局3ポイントを連続で失うかたちで敗れた。
「グランドスラム初めての決勝で緊張してしまった。それを隠さず、発散させたほうがよかったのかも」と繰り返した清水と堀江。初優勝は果たせなかったもののジュニア最後の年に大きな成果を得た。
清水はプロ志望、堀江はアメリカの大学も視野に入れながらの進学を目指している。進む道は違っても、「またここに戻って来て、ふたりでプレーしたいと思う」と堀江。ダブルスに限らずシングルスでも、「もう一度、ここで」という願いを叶えられるプレーヤーは多いわけではない。その言葉、覚えておきたい。
それにしても対戦相手のウーは、中国のテレビカメラがべったり張りついているのもわかる実力者だ。アジアテニスも捨てたもんじゃない。だが、ジュニアでぴたっと成長が止まるのが悪い前例ともいわれる。その後の成績次第で、輝きもすれば、腐りもする—–それがジュニア時代の足跡なのだろう。
(テニスマガジン/ライター◎山口奈緒美)
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