コート整備を手伝う余裕を見せたジョコビッチが11年連続ベスト16進出 [フレンチ・オープン]
今年最後のグランドスラム「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦9月27日~10月11日/クレーコート)の本戦7日目は、男女シングルス3回戦残り試合と男女ダブルス2回戦などが行われた。
驚きの結果や“あいつは誰だ?”というストーリーが多く登場し、例年とは異なる形のフレンチ・オープンが4回戦に突入する。ワイルドカード(主催者推薦枠)での出場、予選勝者、初出場で勝ち抜く男女の選手たちが大会を盛り上げている。
当然ながら、前評判通りに勝ち残っている選手たちもいる。その筆頭が第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)だろう。ライバルのラファエル・ナダル(スペイン)とロジャー・フェデラー(スイス)に並び、この大会で11年連続となるベスト16進出を決めた。
序盤戦のジョコビッチに関しては、番狂わせが起きる心配がなかった。彼は圧倒的な強さで相手を退け、この日も相手に5ゲームしか与えずに世界ランク153位でラッキールーザーから勝ち上がってきたダニエル エライ・ガラン(コロンビア)を6-0 6-3 6-2で退けた。
「試合開始から調子がよければ、相手が調子を取り戻したり形勢を逆転できると信じるのは本当に難しいはずだ。今大会の最初の3試合がそうであったようにね」と2度目のフレンチ・オープン優勝と通算18回目グランドスラム制覇を目指すジョコビッチは自信満々に語った。この勝利でジョコビッチは、2020年の戦績を34勝1敗とした。
相手のガランもお手上げだった。
「自分にとって彼は手に負えない相手だということは分かっている。でも、完璧なプレーを見せないとすべてのセットを0-6で落としてしまうよ。僕自身も0-6 0-2の時点で、もしかしたら1ゲームも取れないかもという考えが頭をよぎっていたんだ」
この試合でジョコビッチが唯一心配していたのは、強くなってきた雨のことだった。そして彼は主審のジャウマ・カンピストール氏に、「屋根があるのに、閉じないのはなぜなんだ?」と尋ねた。
しかしそれも、ジョコビッチのプレーには何も影響しなかった。ドロップショットとロブのコンビネーションはうまく機能し、時速200kmに素早く反応する彼のリターンは非の打ちどころがなかった。
「すべてのフォアハンドがロケットのようだった。反応することもできなかったよ」とテレビで見ていた以上にすごいショットにガランは舌を巻いた。
ガランがベースラインの後ろでターンしようとして滑ったときにプレーは中断され、ようやく約58億円をかけて建設された屋根が閉じられた。中断の間、ジョコビッチはライン上の砂を掃くのを手伝ったりもした。
ジョコビッチは次のラウンドで、第20シードのクリスチャン・ガリン(チリ)を6-2 3-6 6-4 6-2で破って勝ち上がった第15シードのカレン・ハチャノフ(ロシア)と対戦する。(APライター◎ハワード・フェンドリック&ジョン・レスター/構成◎テニスマガジン)
※写真はノバク・ジョコビッチ(セルビア)
PARIS, FRANCE - OCTOBER 03: Novak Djokovic of Serbia sweeps the court as a member of staff looks on during his Men's Singles third round match against Daniel Elahi Galan of Colombia on day seven of the 2020 French Open at Roland Garros on October 03, 2020 in Paris, France. (Photo by Shaun Botterill/Getty Images)
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