【こちらメルボルン】847位から30位台までジャンプアップのトロイツキ


前哨戦の「アピア国際シドニー」で優勝したビクトル・トロイツキ(セルビア)がメルボルン入りしたとき、会場内で顔を合わせた選手仲間から次々と祝福の声をかけられ、抱き合って喜ぶところを見ました。
これはジョコビッチと。

トロイツキは元世界12位ですが、2013年のモンテカルロの大会の際、血液検査を拒否したとの理由から12ヵ月の出場停止処分を受けていました。そのためランキングは一時847位まで落ちて、昨年の7月から復帰しましたが、チャレンジャー大会やツアーの予選に出場してランキングを上げる努力をしてきました。
出場停止だった1年間は、「多くの選手仲間からサポートを受けた」と言い、とりわけ同胞のノバク・ジョコビッチはいっしょに練習する時間をつくってくれるなど大きな力を貸してくれたと言います。
「ノバクといっしょに旅をして、いくつかの大会で練習をした。でも、大会には出入り禁止でプレーできないから、大会前に練習する機会をつくってくれたんだ。モンテカルロに住んでいるけれど、そこでもほかの選手たちが練習する機会をくれたり、ベオグラードの家に戻ったときには、若い選手たちと練習したりした」とトロイツキ。
2013年7月に復帰したとき847位だったランキングは、2014年末には101位まで上げて、大会開幕時には54位へ。全豪本戦出場を決めたこともさることながら3回戦まで進出し、第7シードのトマーシュ・ベルディヒ(チェコ)に敗れました。この成績によって、最新ランキングでは30位台に上がってくることが想定されます。
2003年の全豪から13年ウインブルドンを最後に出場停止となるまで、グランドスラムは23大会連続出場。4回戦に3度進出した実力は、一年半でおよそ800番もジャンプアップさせられるものとは驚きです。テニスを失くしてわかる、「取り戻したい、もう一度プレーしたいという気持ち」が事を大きく動かしたのは間違いないでしょう。この貪欲さが今後も続くとすれば、怖い存在になるかもしれません。
3回戦に駆けつけたジョコビッチ(隣はジョコビッチのコーチのマリオン・バイダ)。深い友情を感じます。

(編集部A)
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