フレンチ・オープン9月に延期、コロナウイルス理由
今年2つ目のグランドスラム大会、テニスの「フレンチ・オープン」(5月24日〜6月7日/フランス・パリ/クレーコート)は世界的に流行している新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を理由に開催月を5月から9月に変え、大会を4ヵ月ほど延期することを決めた。
フランステニス連盟(FFT)は火曜日、「大会開催に関わる皆の安全と健康を保証するため、5月24日から6月7日の15日間に渡って行われるはずだったこの大会を9月20日から10月4日に行うことにする」と発表した。
決断を発表したプレスリリースの中で、フランステニス連盟のベルナール・ジウディセリ会長は、この決定を「この前代未聞の状況の中、難しいが勇気のある決断だ」と表現した。のちの記者会見でジウディセリ会長は、「他のグランドスラム大会とATPおよびWTAツアーはこの変更について知らせたが、相談してはいなかった」ということを認めた。
「我々にとってロラン・ギャロス(フレンチ・オープン)をカレンダーから排除するということは、考えられないことだった。我々の頭にあったのは、大会と選手の利益だけだ」と会長はコメントした。「我々は、他の大会のへのダメージがもっとも少ない2週間を選んだ」。
フレンチ・オープンの新しい日程は、ハードコートのUSオープンのすぐあとにあたる。USオープン(アメリカ・ニューヨーク/ハードコート)は現在のところ、8月31日から9月13日の開催を予定している。違うサーフェスでプレーされるふたつのグランドスラム大会の間にわずか一週間しかないという状態だが、これは異常に短い準備期間だろう。
このフレンチ・オープンの新しい日程はいくつかのWTAとATPのハードコートの大会、またアメリカ・ボストンで予定されているチーム戦「レーバー・カップ」ともバッティングしている。
「異常だ」とバセク・ポスピショル(カナダ)はツイートした。「ロラン・ギャロスの日程をUSオープンの一週間後にするという大発表。選手やATPには何の連絡もなしに。このスポーツにおいて、我々には何の発言権もない。選手が団結すべきときだ」。
これはグランドスラム大会が世界中に拡散しているウイルスによる影響を受けた、最初の例となった。現在の日程にある次のグランドスラム大会はウインブルドン(イギリス・ロンドン/グラスコート)で、6月29日から7月12日まで行われることになっている。
このニュースが発表されたあと、ウインブルドンの主催者であるオールイングランドクラブのCEOを務めるリチャード・ルイス氏は、彼のスタッフたちは変わらず期日通り大会を行う予定でいると語った。彼はその上で、「状況は絶えず変わり続けており、我々は社会の最善の利益のため、責任ある行動をとるつもりである」と言い添えた。
新型コロナウイルス感染者の急増の結果、3月と4月の男子と女子のツアーの数大会がキャンセルされている。
ほとんどの人々にとって、コロナウイルスは咳や発熱など軽度から中度の症状をもたらすだけだが、高齢者または元々別の病気を患っている人々には肺炎などより深刻な症状を引き起こすことがある。感染した人々の大部分は回復している。世界保健機関(WHO)によれば、症状が中程度の感染者は約2週間で回復し、より深刻な症状が出た人は回復に3週間から6週間程度を要している。
フランスのエマニュエル・マクロン大統領は月曜日に、最低でも15日間、フランスの人々は食料の買い出しや病気の必要性による通院また自宅勤務が不可能な人の通勤など、必要不可欠な行為以外では外出しないようにという勧告を発した。彼はまた家族、友人などとの会合も禁止した。
1891年にフランス選手権として始まったフレンチ・オープンは、1925年から外国人選手の参加が認められるようになった。大会史上で開催されなかった期間は、第一次世界大戦中の1915年から1919年、そして第二次世界大戦中の1940年から1945年だけだった。
今年のフレンチ・オープンの終わりは、7月末に予定されている「2020年東京五輪」への出場権を得るか決めるためのATPとWTAのランキングポイントの締め切り日となるはずだった。
すでにフレンチ・オープンのチケットを購入した者には払い戻し、あるいは新しい期日のチケットとの交換を要請できるとフランステニス連盟は言っている。
このロラン・ギャロスの見所は、いくつかある。ラファエル・ナダル(スペイン)は、すでに記録的なフレンチ・オープンでのタイトル・コレクションに加える「13度目」のタイトルをパリで獲得できるだろうか? セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)は、「24回目」のグランドスラム・タイトルを獲得できるだろうか? そして日程が変わった今、ロジャー・フェデラー(スイス)は出場できるのだろうか? フェデラーはごく最近受けた膝の手術のため、5月のフレンチ・オープンを欠場することになっていた。(APライター◎ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)
※写真はフレンチ・オープン大会ロゴ(Getty Images)
Pick up
-
PR | 2024-10-20
『ノアから世界へ』——ノア・テニスアカデミー所属、駒田唯衣選手&富田悠太選手インタビュー
全国に35校のテニススクールを展開する業界大手の『ノアイ
-
2024-10-27
第63回テニマガ・テニス部「テニス丸ごと一冊サービス[増補版] 解説編』キャンセル待ち受付中
キャンセル待ち受付中=====テニマガ・テニス部 部活プ
-
2024-10-08
テニス丸ごと一冊サービス[増補版] QRコード(動画)付(堀内昌一 著)書籍&電子書籍
「テニスマガジン」のサービス特集をきっかけに、MOOK「テニ
-
2024-05-03
『テニスフィジバト道場』(横山正吾 著)テニスプレーヤーのための最新フィジカルトレーニング
Tennis Magazine extraシリーズテニスプレ
-
2024-02-05
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(荒木尚子/著)
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(
-
2022-12-05
勝つための“食”戦略 『最新テニスの栄養学』(高橋文子著)
Tennis Magazine extra シリーズ最新テニ
Pick up
-
PR | 2024-10-20
『ノアから世界へ』——ノア・テニスアカデミー所属、駒田唯衣選手&富田悠太選手インタビュー
全国に35校のテニススクールを展開する業界大手の『ノアイ
-
2024-10-27
第63回テニマガ・テニス部「テニス丸ごと一冊サービス[増補版] 解説編』キャンセル待ち受付中
キャンセル待ち受付中=====テニマガ・テニス部 部活プ
-
2024-10-08
テニス丸ごと一冊サービス[増補版] QRコード(動画)付(堀内昌一 著)書籍&電子書籍
「テニスマガジン」のサービス特集をきっかけに、MOOK「テニ
-
2024-05-03
『テニスフィジバト道場』(横山正吾 著)テニスプレーヤーのための最新フィジカルトレーニング
Tennis Magazine extraシリーズテニスプレ
-
2024-02-05
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(荒木尚子/著)
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(
-
2022-12-05
勝つための“食”戦略 『最新テニスの栄養学』(高橋文子著)
Tennis Magazine extra シリーズ最新テニ