こちら興奮冷めやらぬメルボルンより最後のブログをお届けします。
男子決勝のジョコビッチ対ツォンガの対戦は
4-6、6-4、6-3、7-6(2)でジョコビッチが優勝しました。
ジョコビッチはグランドスラム初優勝で、
20歳の彼は、テニスオープン化後、史上4人目の若さでの優勝です。
またセルビアに初めてのグランドスラムタイトルをもたらしました。

大会14日間を通じて60万人を超える観客動員数を記録したそうです。
世界中からここメルボルンにテニスファンが集まりました。
最終日もスタジアムは超満員となり、その大観衆の前で
歴史にまた新たな1ページが加えられたのです。

自信に満ちあふれていたジョコビッチ。
類い稀な才能を見せつけてくれました。

ツォンガもまた22歳と若く、
そして彼もまたずば抜けた運動能力を要所で発揮しましたが、
準決勝のナダル戦のときのように
コートを広く使って相手を振り回し、
そして抜群のコートカバーを見せて、
試合を制覇するまでにはいたりませんでした。

ファーストセットを取ったのはツォンガでしたが、
次第に戦況不利になっていきました。
表情も次第に苦しく…。

第4セットはタイブレーク、6-2でマッチポイントがきました。
ジョコビッチは優勝の瞬間、仰向けに倒れて大の字に。
メルボルンの文字にちょうどかかり、
天井から撮っている人はいい感じなんだろうな~、と
フォトグラファーならではの考えが頭をよぎりました(笑)。
起き上がると両手で顔を覆い、この顔です。
「やった、俺、やった~」という感じかな。
このときロッドレーバーアリーナは
ずっと大きな拍手と大歓声に包まれたままでした。

それも一転、表彰式になると、観客のみなさんは
優勝者のスピーチをひと言も聞き逃すまいとみんな耳を立て
アリーナ内はシーンッと静まり返りました。
ジョコビッチは、自分を支えてくれた家族や仲間たちにお礼を言い、
そして相手のツォンガを労い…、
そのあとのひと言がよく人を笑わせるという
ジョコビッチらしくて可笑しかったです。
「そして観客の皆さん、僕は知っていますよ。
 ジョー(ツォンガのこと)の方を応援していたってこと(笑)。
 冗談です。応援してくれてありがとう」ですって。
フェデラーでもない、ナダルでもない、ジョコ色を出したなあという感じです。

カップとお皿に照明が当たって、なんて美しいんでしょう。
この輝きが、グランドスラムなのかな。

これまでフェデラーが引っ張ってきた男子テニス界ですが
引っ張ってきた分、若い世代がグングン育ってきました。
強いフェデラーを倒そうと、みんながみんな
彼を倒す方法を思案し、どんどん新しいことにチャレンジしてきたら
ジョコビッチのように、ツォンガのように
コートを広く使い、スピンで相手を深く追いやったり、サイドに追い出したり
前に動いてスピーディにボールを叩いたり、ネットに出たり、
そうかと思えばドロップショットで前に大きく走らせたり、
ものすごい運動量になってきましたね。
これからはこの方向で動いていくんだろうと
はっきり感じさせる大会になりました。
ある意味、歴史的大会になると思います。
そこに居合わせたことに感謝しています。
最後まで読んでくださったみなさん、ありがとうございました。
明日はジョコビッチのフォトセッションに行ってきます。
そして東京・水道橋の編集部に帰ります。

では続きは2月21日(木)発売の
テニスマガジン4月号をお楽しみに。

(写真部・タカノ)

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