オーストラリアン・オープン責任者は選手のために検疫の緩和を求める

※写真は今年のオーストラリアン・オープン開幕日行われたイベントでスピーチするテニス・オーストラリアCEOのクレイグ・タイリー氏(Getty Images)

オーストラリアン・オープンの責任者であるクレイグ・タイリー氏は、2021年最初のグランドスラム大会のために入国する世界のテニスプレーヤーたちが現在海外からやってくる旅行者に義務付けられている厳格な14日間の検疫および隔離から免除させれることを望んでいる。
 
 木曜日にタイリー氏は、オーストラリアン・オープンが予定通りメルボルン・パークで1月18日から31日に開催されるということに自信を持っていると明言した。それに先立つATPカップやブリスベン、シドニー、ホバートなど国内のウォームアップ大会も滞りなく行われると彼は信じている。

 選手たちがUSオープンとフレンチ・オープンが最近行ったような『バブル』と呼ばれる衛生面で管理された安全地帯の中で大会に向けて準備しながら一般の人々から隔離された状態を保つことができるよう、オーストラリア連邦政府と州政府が特別措置を承認してくれることを彼は期待している。

「もしプレーヤーがシーズン開始前の2週間をホテルにこもっていなければいけないとしたら…、大会を開催することはできないでしょう」とタイリー氏はオーストラリアAP通信(AAP)に語った。

「選手たちに2週間の隔離をして、それからコートに出てグランドスラム大会でプレーする準備を整えるよう頼むことはできませんよ」

 ともに2021年に40歳の誕生日を迎えるロジャー・フェデラー(スイス)とセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)はすでにオーストラリアン・オープン出場を約束しているが、タイリー氏はプレーヤーたちがしっかりと準備することが許されなければ出場しないだろうと考えている。

「海外からやってくる者は皆、検疫のために14日間の隔離を行わなければならないということを我々は完全に受け入れます。しかし我々が交渉して承諾を得ようとしているのは、我々が検疫のための環境を設定するということなのです。2週間の期間はプレーヤーたちが一般の人々との接触を避けながら練習し、ホテルとコートの間を安全に行き来することができるように計画しています」とタイリー氏は説明した。

 USオープンとフレンチ・オープンでは、プレーヤーたちが14日間の隔離を行う必要はなかった。彼らはただ安全を確保された『バブル』の中で行動し、定期的なウイルス検査を受けて陰性であれば試合でプレーすることを許されるというものだった。

 先週末にラファエル・ナダル(スペイン)が決勝でノバク・ジョコビッチ(セルビア)を倒したロラン・ギャロスでは、プレーヤーは試合と試合の合間にはマスクを着用していた。

 タイリー氏はオーストラリアン・オープンの準備について、「今まさに決定的な段階に入りつつある」と発言した。

「我々には政府と保健当局からの確約が必要です。来たる2週間、あるいは1ヵ月の間に何が起こることになるかを知る必要があります。州の境界が開かれることになるなら、我々は従来通りいくつもの都市での大会を開催することができます。もし複数の都市で大会ができないのであれば、すべてを考え直さなければなりません」

 メルボルンは新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックが宣言されてから、オーストラリアでもっとも大きなダメージを受けた都市のひとつだ。第二波によって夜間外出禁止令を余儀なくされ、500万人の住人たちは6週間のロックダウンを強いられた。それでも大会主催者はソーシャルディスタンスなどの規制を課した上で、オーストラリアン・オープンに収容人数の最大50%ほどの観客を迎えることを計画している。

 もし州の境界が開かれなかった場合には、USオープン前のウェスタン&サザン・オープンをオハイオ州シンシナティからニューヨークの同じ会場に変更したように、ATPカップや他の前哨戦をメルボルンで開催するという可能性をタイリー氏は否定しなかった。

「現時点では、あらゆることが起こる可能性があります」とタイリー氏はコメントした。「すべてはまだ審議中なのです」。(C)AP(テニスマガジン)

※写真は今年のオーストラリアン・オープン開幕日行われたイベントでスピーチするテニス・オーストラリアCEOのクレイグ・タイリー氏(Getty Images)

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